小田急電鉄の顔として、多くの人々に愛され続ける特急ロマンスカー。特に、白い車体が印象的だった50000形「VSE」の引退は、多くのファンに惜しまれました。
その後継車両をめぐり、インターネット上では「新型ロマンスカーはWSEになるのでは?」という噂が飛び交いました。この記事では、この「WSE」というキーワードの真相から、最近発表されたばかりのVSE後継となる新型ロマンスカー「80000形」の概要まで、ロマンスカーの未来について、やさしく、そして詳しく解説していきます。歴代ロマンスカーの歴史も振り返りながら、新しい時代のロマンスカーがどのような姿になるのか、一緒に見ていきましょう。
小田急新型ロマンスカー「WSE」の噂と公式発表の真相
多くの鉄道ファンが注目した、VSE引退後の新しいロマンスカー。その中で突如として現れた「WSE」というキーワードは、期待と憶測を呼びました。ここでは、その噂の出どころから、小田急電鉄による最新の公式発表まで、気になる情報の核心に迫ります。
そもそも「WSE」とは何か?ファンの期待が込もった愛称
「WSE」という名称は、小田急電鉄が公式に発表したものではありません。これは、引退した50000形「VSE」の後継車両に対する、鉄道ファンの期待や憶測から生まれた愛称の一つです。
VSEは「Vault Super Express」の略称で、その名の通りヴォールト(アーチ状の天井)構造が特徴的な車両でした。 これに対し、ファンはVSEの象徴であった白い車体(White)を継承してほしいという願いを込め、「White Super Express」の頭文字を取って「WSE」と呼ぶようになったと考えられます。歴代ロマンスカーには「LSE (Luxury)」「HiSE (High Super)」「GSE (Graceful)」など、アルファベット3文字の愛称が多く、その流れを汲んだ自然な発想と言えるでしょう。 このように「WSE」は、公式な計画名ではなく、VSEが持つ特別な存在感と、その伝統を受け継いでほしいというファンの熱い想いが結晶化した言葉なのです。
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小田急の新型ロマンスカー(80000形)愛称はどうなるのだろうか。
SSEやTSEは使用実績があるしBSEは論外、個人的にはCSE(Clearance Super Express)かQSE(Quartz Super Express)を推したいが、やはりWSE(WaterもしくはWave Super Express)が有力候補っぽい。— Resort_eggs_91 (@Resort_eggs_91) November 18, 2025
なぜ「WSE」の噂が広まったのか?VSE引退と後継への期待
「WSE」の噂が広まった背景には、やはり白いロマンスカー50000形「VSE」の引退が大きく関係しています。2005年に登場したVSEは、その優雅な白いフォルム、展望席、そして連接台車による滑らかな乗り心地で、瞬く間にロマンスカーのフラッグシップとしての地位を確立しました。 しかし、その特殊な構造ゆえにメンテナンスが難しく、主要機器の更新が困難であることなどから、2023年12月に多くのファンに惜しまれつつ完全に引退しました。
VSEの引退により、展望席を持つロマンスカーは70000形「GSE」のみとなりました。 ファンからは「VSEの魂を受け継ぐ、新しい観光特化型のロマンスカーが登場してほしい」「あの美しい白い車体をもう一度」という声が強く上がりました。そうした中で、後継車両の構想が報じられると、VSEの「V」を「White」の「W」に変えた「WSE」という愛称が、ファンの期待を一身に背負う形で自然発生的に広まっていったのです。まさに、VSEがいかに愛されていたかの証と言えるでしょう。
【速報】ついに判明!VSE後継は新型ロマンスカー「80000形」
長らく様々な憶測を呼んできましたが、2025年11月17日、ついに小田急電鉄からVSEの後継に関する公式な発表がありました。 新しいフラッグシップとして登場するのは、新型ロマンスカー「80000形」です。
発表によると、80000形は2029年3月の就役を予定しています。 開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。 車体カラーは、ファンの期待に応えるかのように白を基調としつつ、水の清らかさを感じさせる「淡い水色」が採用されました。 そして何より、ロマンスカーの象徴である展望席の設置が明言されています。 先頭部は、展望席と運転席を大きな曲面ガラスで一体的に包み込む流麗なデザインになる予定です。
「WSE」という名称ではありませんでしたが、VSEのDNAを受け継ぎ、さらに進化を遂げた新しいロマンスカーの姿が明らかになり、ファンにとっては待望のニュースとなりました。
新型ロマンスカー「80000形」のポイント
- 就役予定: 2029年3月
- 車両形式: 80000形
- コンセプト: 「きらめき走れ、ロマンスカー」
- 車体カラー: 淡い水色を基調
- 特徴: 展望席を設置
小田急ロマンスカーの伝統と歴代車両の魅力

新型ロマンスカーへの期待をより深めるために、ここで一度、小田急ロマンスカーが紡いできた輝かしい歴史を振り返ってみましょう。初代から受け継がれる伝統や、各時代を彩った個性豊かな車両たちの魅力を知ることで、80000形が担う役割の大きさがより鮮明に見えてきます。
ロマンスカーの象徴「展望席」の歴史
小田急ロマンスカーと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、最前列から迫力ある景色を楽しめる「展望席」ではないでしょうか。この象徴的な設備を初めて採用したのは、1963年に登場した3100形「NSE(New Super Express)」です。 運転席を2階に上げるという画期的な構造により、最前部に遮るもののないパノラマビューが生まれ、乗客にこれまでにない感動と体験を提供しました。
この展望席の伝統は、7000形「LSE」、10000形「HiSE」、そして50000形「VSE」へと脈々と受け継がれていきました。 車窓を流れる景色がそのままエンターテインメントになる展望席は、単なる移動手段ではない「乗ること自体が目的となる旅」を演出し、ロマンスカーブランドを不動のものにしたのです。VSEの引退で一時は70000形「GSE」のみとなりましたが、新型80000形にも展望席が設置されることが決まり、この素晴らしい伝統は次の時代へと引き継がれていきます。
愛称で振り返る歴代ロマンスカーたち
ロマンスカーのもう一つの魅力は、それぞれの車両が持つ個性的な「愛称」です。これらの愛称は、車両の特徴を見事に表現しており、ファンからの親しみを集めてきました。
初代3000形「SE (Super Express)」から始まり、展望席を初めて設けた3100形「NSE (New Super Express)」、豪華さを追求した7000形「LSE (Luxury Super Express)」、そしてハイデッカー構造で見晴らしを良くした10000形「HiSE (High Super Express)」など、アルファベットを用いた愛称はロマンスカーの代名詞となりました。
その後も、JR御殿場線乗り入れ用の20000形「RSE (Resort Super Express)」や、ビジネス利用も視野に入れた30000形「EXE (Excellent Express)」、地下鉄乗り入れを実現した60000形「MSE (Multi Super Express)」など、多様化するニーズに応えて様々なロマンスカーが登場しました。 そして、VSE引退後のフラッグシップである70000形は「GSE (Graceful Super Express)」と名付けられ、その優雅さをアピールしています。 このように、歴代の愛称はロマンスカーの進化の歴史そのものを物語っているのです。
白いロマンスカーVSEが残した功績
数あるロマンスカーの中でも、50000形「VSE」が特別な存在であったことは間違いありません。2005年のデビュー当時、それまでのロマンスカーの伝統色であったバーミリオンオレンジ基調から一新された、シルキーホワイトの車体は衝撃的でした。 「白いロマンスカー」という新しいブランドイメージを確立し、箱根観光の象徴として絶大な人気を誇りました。
デザインは建築家の岡部憲明氏が担当し、外観だけでなく、アーチ状の天井を持つ明るく開放的な室内空間も高く評価されました。 また、乗り心地の良さを追求した連接台車や車体傾斜装置の採用など、技術的にも意欲的な車両でした。 約18年という比較的短い期間での引退とはなりましたが、VSEがロマンスカーブランドに与えた影響は計り知れません。 新型80000形が「VSEの後継」と位置付けられていることからも、その功績の大きさがうかがえます。
なぜVSEは引退したのか?その理由とファンに愛された魅力
多くの人々に愛され、まさにロマンスカーの「顔」であったVSE。なぜ、登場から20年足らずという比較的短い期間で引退することになったのでしょうか。ここでは、その背景にある技術的な理由と、それでもなおファンを惹きつけてやまなかったVSEならではの魅力について掘り下げていきます。
VSEの早すぎる引退、その3つの主な理由
VSEが比較的早期に引退した理由は、主にその特殊な構造に起因します。小田急電鉄が公式に挙げているのは「車両の老朽化」と「主要機器の更新が困難」という点です。 これをさらに具体的に見ると、以下の3つのポイントが挙げられます。
1. 特殊な車体構造
VSEは「アルミダブルスキン構造」という特殊な工法で造られていました。これは軽量化などのメリットがある一方、補修やリニューアルが非常に難しいという側面も持っていました。
2. 部品調達の困難さ
VSEの滑らかな乗り心地を実現していた重要な技術の一つに「車体傾斜制御」があります。 これはカーブを通過する際に空気ばねで車体を内側に傾けるシステムですが、この制御装置に使われる部品の調達が年々難しくなってきていました。
3. 連接台車のメンテナンス性
VSEは、NSEなどかつてのロマンスカーが採用していた「連接台車」を復活させた車両でもありました。 乗り心地が良い反面、構造が複雑でメンテナンスに手間がかかるという課題がありました。
これらの要因が複合的に絡み合い、長期的に安定して運行を続けるための大規模な更新を行うよりも、引退という決断に至ったと考えられます。
連接台車とは?
通常の鉄道車両が1両に2つの台車(車輪のついた装置)を持っているのに対し、連接台車は2つの車体の間に1つの台車を共有する構造です。カーブを滑らかに通過でき、乗り心地が向上するメリットがあります。
デザインと乗り心地、VSEが愛された魅力
引退の背景に技術的な課題があった一方で、VSEがファンから絶大な支持を得ていたのもまた事実です。その魅力は、何と言っても洗練された唯一無二のデザインにありました。シルキーホワイトを基調とした流線形のフォルムは、従来のロマンスカーのイメージを覆し、新時代の到来を予感させました。
内装も特筆すべきものでした。愛称の由来にもなったアーチ状の天井は、車内とは思えないほどの開放感と上質感を演出。 大きな窓ガラスからは沿線の風景を存分に楽しむことができ、移動時間そのものが特別な体験となるように設計されていました。そして、何よりも展望席からのダイナミックな眺めは、多くの乗客にとって忘れられない思い出となったことでしょう。
また、前述の連接台車や車体傾斜装置がもたらす、揺れの少ない滑らかな乗り心地もVSEの大きな魅力でした。 まるでレールの上を滑るように走る感覚は、他の車両では味わえない独特のもので、多くのリピーターを生みました。
VSE引退後のロマンスカーとファンの声
2023年12月にVSEが完全に引退した後、小田急ロマンスカーのラインナップは大きく変わりました。 展望席を備えた車両は70000形「GSE」の2編成のみとなり、週末などを中心に展望席の予約が取りにくい状況が続いています。 VSEが担っていた「特別な旅を演出する観光特急」という役割の一部をGSEが引き継いでいますが、ファンからはVSEの不在を惜しむ声が絶えません。
SNSなどでは、「あの白い車体が恋しい」「VSEのような、乗ること自体が目的になるロマンスカーにまた乗りたい」「展望席を増やしてほしい」といった声が多く見られます。こうしたファンの熱い想いが、「WSE」という架空の愛称を生み出し、新型車両への大きな期待へと繋がっていったのです。VSEが沿線に残した思い出と功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。なお、引退したVSEの50001号車は、ロマンスカーミュージアムで保存・展示されることが発表されており、2026年3月下旬からその姿を再び見ることができるようになります。
VSE後継!新型ロマンスカー80000形への期待
ついにそのベールを脱いだ、新型ロマンスカー80000形。VSEの後継として、そして小田急の「次の100年」を担う存在として、どのような車両になるのでしょうか。 現在発表されている情報から、その姿と、私たちが期待できる新しい乗車体験について考察します。
伝統の継承と革新の融合
新型ロマンスカー80000形のデザインで最も注目されるのは、やはり展望席の復活です。 運転席を上部に配置し、最前部を乗客に開放するこの伝統的なスタイルは、NSEからVSEまで受け継がれてきたロマンスカーの魂ともいえる部分です。 80000形では、この展望席と運転席を「雫のような大型の曲面ガラス」で一体的に包み込むデザインが採用される予定で、伝統を継承しつつも、より未来的なフォルムとなりそうです。
一方で、革新的な側面もあります。VSEで採用されていた連接台車は見送られ、GSEと同じ一般的なボギー台車(1両に2つの台車を持つ方式)が採用されます。 これはメンテナンス性や汎用性を考慮した現実的な選択と言えるでしょう。また、車体カラーはVSEの白を彷彿とさせながらも、「淡い水色」という新しいカラーリングが採用されました。 さらに、車両連結部には伝統色である「バーミリオンオレンジ」があしらわれ、新旧のロマンスカーの歴史を繋ぐデザインとなっています。 このように、80000形は伝統と革新を見事に融合させた車両となることが期待されます。
テーマは「水」、コンセプトに込められた想い
80000形の開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。 そして、デザインのテーマとして掲げられたのが「水」です。 小田急沿線には、多摩川や相模湾、そして観光地・箱根の芦ノ湖など、豊かな水景が広がっています。 陽の光を浴びて水面がキラキラと輝くように、乗るたびに心がときめき、新しい発見や出会いが生まれるような体験を提供したい、という想いがこのコンセプトには込められています。
この「水」というテーマは、車両デザインの随所に表現されています。淡い水色の車体カラーは水の清らかさを、そして先頭車両のフォルムは雫をイメージしています。 車体側面には、水面の波紋を思わせる「ゆらぎ」と呼ばれる曲線的なデザインが施され、瑞々しさと柔らかさを演出するとのことです。 単に移動するための乗り物ではなく、沿線の自然や風景と調和し、乗客の感性に訴えかける。そんな新しいロマンスカーの姿を目指していることが伝わってきます。
ファンが期待する新しい乗車体験とは
現在発表されている情報だけでも期待は膨らみますが、ファンはさらにどのような新しい体験を期待しているのでしょうか。80000形では、「用途や気分により選択ができる複数の座席種別」が設けられることが発表されています。 これは、一人旅、家族旅行、ビジネス利用など、多様化する乗客のニーズにきめ細かく応えるものとなりそうです。
例えば、プライベート空間を確保できる個室や、グループで利用しやすいサルーン席の復活を望む声は根強くあります。また、GSEで好評を得ているWi-Fi環境や全席コンセントといった設備のさらなる充実はもちろん、大型化した窓からの眺望をより楽しめるような座席配置も期待されるところです。
環境性能の向上や、誰もが快適に利用できるバリアフリー設備の充実も、現代の鉄道車両には不可欠な要素です。VSEが作り上げた「乗ること自体が目的になる」という価値を、80000形がどのように進化させてくれるのか、2029年のデビューが今から待ち遠しくてなりません。
| 項目 | 新型ロマンスカー 80000形 概要 |
|---|---|
| 就役予定 | 2029年3月 |
| 車両形式 | 80000形 |
| 位置付け | VSE(50000形)の後継、EXE(30000形)の代替 |
| 編成 | 7両編成(ボギー車) |
| デザインコンセプト | きらめき走れ、ロマンスカー |
| デザインテーマ | 水 |
| 主な特徴 | ・展望席の設置 ・淡い水色の車体 ・複数の座席種別 |
| 車両デザイン | COA一級建築士事務所 |
まとめ:小田急新型ロマンスカーはWSEではないが、VSEの魂を受け継ぐ80000形へ

この記事では、「小田急新型ロマンスカーはWSEになる?」というキーワードを軸に、ファンの間で広まった噂の真相から、正式に発表されたVSE後継車両「80000形」の最新情報までを詳しく解説してきました。
結論として、「WSE」は公式名称ではなく、VSEの伝統を継ぐ新型車両へのファンの期待が形になった愛称でした。そして、その期待に応える形で発表されたのが、2029年3月デビュー予定の新型ロマンスカー「80000形」です。
淡い水色の車体に伝統の展望席を備え、「きらめき走れ、ロマンスカー」をコンセプトに開発される80000形は、まさにVSEの魂を受け継ぎ、小田急の新たな時代の象徴となることでしょう。具体的な座席の種類やサービスなどの詳細はこれから明らかになっていきますが、そのデビューは多くの人々に新しい旅の感動を与えてくれるはずです。今後の続報を楽しみに待ちましょう。



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