E723系…? もしかしてE721系では? 形式を徹底解説!

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「E723系」というキーワードで検索されたあなたへ。
もしかしたら、あなたが本当に知りたいのは、東北地方の身近な足として活躍する「E721系」かもしれません。あるいは、北陸新幹線などで活躍する新幹線「E7系」の先頭車両「E723形」について調べているのかもしれませんね。

この記事では、そんな少し紛らわしい2つの車両について、それぞれの特徴や違いを、写真や図解を交えながら詳しく、そしてやさしく解説していきます。この記事を読めば、あなたの「知りたい!」がきっと見つかります。さあ、一緒に鉄道の奥深い世界を探検してみましょう。

「E723系(E723形)」とは? 北陸・上越新幹線で活躍する車両

まずは、形式名が非常に近い「E723形」について解説します。この車両は、実は在来線ではなく、私たちの長距離移動を支える新幹線の一員です。

新幹線E7系・W7系の先頭車両

「E723形」とは、JR東日本が所有する北陸新幹線・上越新幹線用の車両「E7系」の、東京方面の先頭車両に付けられた形式名です。 正確には「E723系」という系列(グループ名)ではなく、「E723形」という形式(車両の種類)になります。

E7系はJR西日本も同じ仕様の「W7系」を所有しており、これらは日本の伝統美と最新技術を融合させたデザインで多くの人々を魅了しています。 2015年3月の北陸新幹線長野~金沢間開業に合わせて本格的にデビューし、現在では東京と金沢・新潟を結ぶ大動脈として活躍しています。 このE7系・W7系は12両編成で構成されており、そのうちの1号車(東京寄り)がE723形(またはW723形)にあたります。

E7系のデザインとコンセプト

E7系のエクステリアデザインは、「和の未来」がコンセプト。落ち着きのあるアイボリーホワイトの車体をベースに、空の青さを表現した「空色」と、日本の伝統工芸である銅器や象嵌(ぞうがん)をモチーフにした「銅色(カッパー)」の帯が巻かれています。 この洗練されたカラーリングは、沿線の美しい風景によく映え、旅の気分を一層高めてくれます。

先頭形状は「ワンモーションライン」と呼ばれる、滑らかでシンプルな流線形が特徴です。 これは、高速でトンネルに進入する際に発生する衝撃音を抑えるための工夫でありながら、優雅でスピード感あふれる印象を与えています。車内は普通車、グリーン車、そしてさらに上質な空間を提供する「グランクラス」の3種類で構成されており、全ての座席にコンセントが設置されるなど、快適な移動をサポートする設備が充実しています。

E723形の主な役割

先頭車両であるE723形は、編成の「顔」としての役割はもちろんのこと、運転台が設置されている最も重要な車両です。運転士がここで速度調整や安全確認などを行い、多くの乗客を安全・快適に目的地まで送り届けます。また、空気抵抗を考え抜かれた流線形のボディは、高速走行時の安定性確保や騒音の低減に大きく貢献しています。

加えて、E723形を含むE7系は、日本の電源周波数が異なるエリア(50Hz/60Hz)を直通で走行できるほか、急な勾配が続く区間でも安定して走行できる性能を持っています。 このように、E723形はE7系新幹線が様々な条件下で安全かつ安定して走り続けるために、欠かせない役割を担っているのです。

もしかして探しているのは「E721系」? 東北地方の身近な電車

さて、ここからはもう一つの可能性、東北地方の在来線で活躍する「E721系」について詳しく見ていきましょう。「E723系」と検索された方が、実はこの車両の情報を探しているケースは少なくありません。

E721系が生まれた背景

2000年代半ば、仙台都市圏では国鉄時代から活躍してきた455系や717系といった古い車両がまだ多く走っていました。 これらの車両は老朽化が進んでいたことに加え、ドアが2ヶ所しかないため、朝夕のラッシュ時には乗り降りに時間がかかり、列車の遅延を招く一因となっていました。 また、当時の東北地方の駅ホームは高さが低く、車両の乗降口にはステップ(段差)があるのが当たり前で、お年寄りや車椅子を利用する方にとっては大きな障壁となっていました。
こうした課題を解決し、快適で誰もが利用しやすい交通手段を提供するために開発されたのがE721系です。 2007年の仙台空港アクセス線開業に合わせてデビューし、その後、東北本線や常磐線、仙山線などへ次々と導入が進められました。

活躍している路線と区間

E721系は、仙台車両センターに所属し、東北地方の広範囲で活躍しています。主な活躍の舞台は以下の通りです。

【E721系が主に活躍する路線】

  • 東北本線(新白河駅~一ノ関駅、利府支線)
  • 常磐線(原ノ町駅~岩沼駅)
  • 仙山線(仙台駅~山形駅)
  • 磐越西線(郡山駅~会津若松駅)
  • 仙台空港アクセス線(名取駅~仙台空港駅)

このように、宮城県、福島県、山形県、岩手県にまたがる主要な交流電化区間で、通勤・通学客から観光客まで、多くの人々の日常を支える重要な役割を担っています。 また、一部の車両はワンマン運転にも対応しており、ローカル線での効率的な運用も可能になっています。

E721系の主な特徴

E721系の最大の特徴は、なんといっても「低床設計」です。 車輪を小型化するなど様々な工夫により、ホームとの段差を大幅に解消し、乗降口のステップをなくすことに成功しました。 これにより、お年寄りや小さなお子様、大きな荷物を持った方、そして車椅子を利用する方などが、よりスムーズに、そして安全に乗り降りできるようになりました。この功績が評価され、2008年には鉄道友の会が選定する「ローレル賞」を受賞しています。
車内は、通勤・通学ラッシュにも対応しやすいようドアを3ヶ所に設けつつ、窓を背にして座るロングシートと、4人掛けのボックス席を組み合わせた「セミクロスシート」方式を採用しています。 これにより、混雑時のスムーズな乗降と、長距離移動時の快適性を両立させています。

E721系の魅力に迫る!外観とデザイン

日常的に利用する電車だからこそ、そのデザインにも様々な工夫が凝らされています。ここでは、E721系の外観やカラーリングの秘密に迫ります。

ステンレス製のシンプルな車体

E721系の車体は、軽量で錆びにくく、メンテナンス性に優れたステンレス製です。 銀色に輝く無塗装のボディは、都会的で洗練された印象を与えます。車体の断面は、裾の部分を絞った形状になっており、これにより車内空間を広く確保しつつ、車両限界(トンネルや駅の構造物に接触しないための規格)に対応しています。
先頭部分は、衝撃を吸収する構造を取り入れたFRP(繊維強化プラスチック)製のマスクで覆われており、丸みを帯びた親しみやすいデザインが特徴です。 この顔つきは、先に登場したロングシート車両「701系」とは一線を画すデザインで、E721系の新しいイメージを決定づけました。

路線ごとに異なる帯の色(カラーリング)

シンプルなステンレスボディに彩りを添えるのが、車体に巻かれた帯(ラインカラー)です。この帯の色は、車両の種類(番台区分)によって異なり、一目で見分けることができます。

【E721系のカラーリング】

  • 0番台(2両編成):のライン。東北本線や仙山線など、最も広い範囲で活躍する標準タイプです。
  • 500番台(2両編成):水色のライン。仙台空港アクセス線用で、空をイメージさせる爽やかなカラーリングが特徴です。
  • 1000番台(4両編成):さくら色(ピンク)のライン。混雑緩和のために導入された4両固定編成で、沿線の桜の名所にちなんでいます。

これらのカラーリングは、車両の識別を容易にするだけでなく、それぞれの路線の特色を表現し、利用者に親しみやすさを感じさせる役割も担っています。街なかや田園風景を走るカラフルなE721系の姿は、東北の日常風景に溶け込んでいます。

安全性を高めるための様々な工夫

E721系には、乗客の安全を守るための様々な工夫が施されています。先頭車両の運転台は、万が一の踏切事故などの際に運転士への衝撃を和らげる「衝撃吸収構造」を採用しています。

また、乗降ドアには、閉まる際に物が挟まっても引き抜きやすいように、一時的に閉める力を弱める「戸閉め弱め機構」が備わっています。 さらに、ドア付近には滑り止めの加工が施された黄色のマットが敷かれており、雨の日でも安心して乗り降りできるよう配慮されています。ホームと車両の隙間も、従来車両より小さくなるように設計されており、乗降時の足の踏み外し事故を防いでいます。 これらの地道な工夫の積み重ねが、日々の安全な運行を支えているのです。

快適な移動を支えるE721系の車内設備

E721系の魅力は、外観だけではありません。車内に足を踏み入れると、そこには利用者のことを第一に考えた、快適で機能的な空間が広がっています。

低床設計で乗り降りがスムーズに

E721系の最大の功績ともいえるのが、徹底した低床化によるバリアフリーの実現です。 従来、東北地方の多くの駅ではホームの高さが低いため、電車に乗るには階段のようなステップを上り下りする必要がありました。 これは、お年寄りや車椅子利用者、ベビーカーを押す方々にとって大きな負担でした。
E721系では、台車を工夫し車輪の直径を小さくすることなどで、客室の床面高さを従来車両(701系)より18cmも低い95cmに抑えました。 これにより、駅ホームとの段差が劇的に小さくなり、ステップなしでのスムーズな乗降が可能になったのです。 このステップレス化は、乗り降りの時間を短縮し、列車の定時運行にも貢献しています。

ちなみに、E721系は床が低くなったため、従来型の701系と連結すると、車両間の通路に顕著な段差とスロープが生まれます。 もし連結している場面に遭遇したら、ぜひ確認してみてください。

開放感のあるセミクロスシート

車内の座席は、ドア付近がロングシート、ドアとドアの間が4人掛けのボックスシートになっている「セミクロスシート」配置です。 これは、通勤ラッシュ時の乗降しやすさと、郊外区間での着席時の快適性を両立させるための工夫です。
ボックスシートの座席間隔(シートピッチ)は1,585mmと、他の近郊形車両と比較しても広く取られており、向かい合わせに座っても足元にゆとりがあります。 窓側には小さなテーブルも設置されており、飲み物を置いたり、景色を眺めながらの小旅行を楽しんだりするのに便利です。 高い天井と大きな窓が相まって、車内は非常に明るく開放的な雰囲気。毎日の通勤・通学から休日のレジャーまで、幅広いシーンで快適な移動時間を提供してくれます。

すべての人に優しいバリアフリー設備

E721系は、低床設計だけでなく、車内の様々な設備においてもバリアフリーを徹底しています。2両編成のうち1両には、車椅子で利用できる大型の洋式トイレが設置されています。 このトイレは、入り口のドアがボタン式で、内部には手すりや緊急呼び出しボタンも完備されています。
トイレの向かい側には、車椅子やベビーカーをそのまま置くことができるフリースペースが確保されています。 このスペースには、壁に寄りかかれるようにクッションが設置され、ヒーターも内蔵されているなど、きめ細やかな配慮がなされています。

ドアの上部には、次の停車駅や乗り換え案内などを文字で表示するLED式の案内表示器が設置されており、耳が不自由な方にも分かりやすくなっています。 このように、E721系は年齢や身体的な条件にかかわらず、誰もが安心して利用できる「人に優しい車両」なのです。

E721系と従来車両(719系・701系)との違い

E721系の登場によって、仙台地区の鉄道事情は大きく変わりました。ここでは、E721系が置き換えることになった従来車両「719系」や、現在も共に活躍する「701系」と比較して、どのような点が進化しているのかを見ていきましょう。

最大の特徴である「低床化」

やはり最も大きな違いは、繰り返しになりますが「低床化」です。E721系が登場する前に主力だった719系や、現在も活躍する701系は、いずれも乗降口にステップ(段差)がありました。 特に、国鉄時代に設計された急行形車両をベースとする719系は、客室の床面が高く、ホームとの段差も大きいものでした。
E721系がこのステップをなくしたことは、東北地方の鉄道におけるバリアフリー化を大きく前進させる画期的な出来事でした。 現在では、719系のほとんどがE721系1000番台などに置き換えられ、仙台地区の主要路線ではステップのない車両が当たり前になっています。

乗り心地と静粛性の向上

乗り心地の面でも、E721系は大きな進化を遂げています。719系は、国鉄型の台車をベースにしていたため、走行中の揺れや音が比較的大きいものでした。一方、E721系は、E531系など新しい世代の車両で実績のある「ボルスタレス台車」を基本としており、空気ばねによって揺れを巧みに吸収し、快適な乗り心地を実現しています。
また、モーターの制御方式には、きめ細やかな電力制御が可能な「VVVFインバータ制御」を採用。 これにより、発進・停止時のショックが少なく、非常に滑らかな加減速が可能になりました。走行音も719系に比べて格段に静かになっており、車内での会話や読書を妨げません。701系も同じVVVFインバータ制御ですが、E721系はより新しい世代の制御装置を搭載しており、さらに洗練された走りを提供しています。

環境性能と省エネルギー化

見えない部分でも進化しています。E721系に搭載されているVVVFインバータ制御装置や主電動機(モーター)は、エネルギー効率が非常に高く、省電力での走行が可能です。 また、ブレーキをかける際には、モーターを発電機として利用し、発生した電気を架線に戻して他の電車が再利用する「回生ブレーキ」という仕組みを備えています。 これにより、消費電力を大幅に削減し、環境負荷の低減に貢献しています。
近年増備された1000番台では、車内の照明がすべてLED化されており、従来の蛍光灯に比べて消費電力が約6割も削減されるなど、さらなる省エネ化が図られています。 このように、E721系は乗客の快適性だけでなく、地球環境にも配慮した、時代のニーズに応える車両なのです。

まとめ:E723形とE721系、それぞれの舞台で輝く車両たち

今回は、「E723系」というキーワードをきっかけに、新幹線E7系の先頭車「E723形」と、東北地方で活躍する在来線「E721系」について詳しく解説してきました。

E723形は、日本の大動脈である新幹線の一員として、最高水準の技術と洗練されたデザインで、私たちの長距離移動を支える存在です。
一方、E721系は、徹底したバリアフリー設計と快適な車内空間で、東北地方の人々の暮らしに寄り添う、地域にとってなくてはならない存在です。

名前は似ていますが、それぞれが全く異なる役割を持ち、それぞれの舞台で輝いています。この記事を通して、両者の違いや魅力について理解を深めていただけたなら幸いです。次に電車に乗る機会があれば、ぜひその形式名にも注目してみてください。そこには、私たちの生活を支えるための技術と工夫がたくさん詰まっているはずです。

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