EF65 501の魅力に迫る!P形のトップナンバー、その歴史と現在の姿

鉄道の仕組みと用語解説

日本の鉄道史に燦然と輝く電気機関車、EF65形。
その中でも、かつてブルートレインを牽引し、多くのファンを魅了し続ける特別な存在がEF65 501号機です。旅客列車牽引用として設計された500番台(P形)の栄えあるトップナンバーであることから、「Pトップ」の愛称で親しまれています。

この記事では、半世紀以上にわたり日本の大動脈を駆け抜けてきたEF65 501号機の誕生の背景から、輝かしい功績、そして現在の活躍に至るまで、その魅力を余すことなくお伝えします。
なぜこの機関車はこれほどまでに愛されるのか、その秘密に一緒に迫ってみましょう。

EF65 501号機とは?ブルートレイン牽引の星

EF65 501号機は、国鉄時代に製造されたEF65形電気機関車の一両で、多くの鉄道ファンから特別な存在として認識されています。その理由は、華やかなブルートレインの先頭に立った経歴と、数あるEF65の中でも特別な仕様を持つ車両だからです。ここでは、その基本的なプロフィールと特徴を掘り下げていきます。

誕生の背景とP形の役割

1960年代、日本の高度経済成長を背景に、鉄道輸送の高速化と効率化が求められていました。特に、東京と九州を結ぶ寝台特急、通称「ブルートレイン」は花形の存在でした。当時、これらの列車を牽引していたEF60形500番台は、もともと貨物用機関車をベースにしていたため、高速運転時にモーターへ大きな負荷がかかるという課題を抱えていました。

この問題を解決し、ブルートレインのさらなる高速化を実現するために開発されたのがEF65形500番台(P形)です。 Pは旅客(Passenger)を意味し、その名の通り、20系客車などの高速旅客列車を安定して牽引するために専用設計されました。 高速性能に優れた0番台(一般形)をベースに、20系客車に対応したブレーキ装置などを追加装備しています。 そして、1965年6月にその輝かしい歴史の第一歩を踏み出したのが、トップナンバーであるEF65 501号機でした。

ブルートレインとは?
青い車体が特徴の寝台特急列車の愛称です。かつては日本の主要都市間を結ぶ夜行列車の主役として、多くの人々の旅を支えました。EF65 501号機は、その中でも「さくら」「みずほ」「富士」といった名だたる列車の先頭に立ちました。

501号機ならではの特徴と外観

EF65 501号機の外観で最も目を引くのは、青15号の車体にクリーム1号の帯が入った「特急色」と呼ばれるカラーリングです。 これは、牽引する20系客車のデザインと調和するように採用されたもので、ブルートレイン牽引機としての誇りを示す象徴でもありました。

細部に目を向けると、トップナンバーならではの初期製造車の特徴が見られます。例えば、車両の側面にあるナンバープレートは、後期の車両とは異なる書体や取り付け方をしていました。また、テールライト(後部標識灯)の形状も製造時期によって異なり、501号機は当初「内ハメ式」と呼ばれるタイプでしたが、後年の改造で「外ハメ式」に変更されています。 長い年月を経てきた中で、保安装置の更新など、時代に応じた改造が加えられていますが、デビュー当時の風格は今なお色褪せることがありません。

ファンから「Pトップ」と呼ばれる愛称は、旅客用(Passenger)の500番台のトップナンバーであることに由来しています。 この呼び名には、多くの鉄道ファンからの敬意と親しみが込められています。

F形との違いはどこにある?

EF65形500番台には、501号機を含む旅客用の「P形」のほかに、高速貨物列車を牽引するための「F形」が存在しました。 Fは貨物(Freight)を意味します。

P形とF形の最も大きな違いは、連結器周りの装備です。 P形のスカート周りが比較的すっきりしているのに対し、F形は重連運転(機関車を2両連結して走ること)や高速貨車(コキ10000系など)を牽引するためのジャンパ連結器や空気管が追加されており、より重厚な印象を与えます。

P形とF形の主な違い

  • P形 (Passenger):旅客列車用。スカート周りがシンプル。
  • F形 (Freight):高速貨物列車用。重連総括制御のためのジャンパ連結器や空気管などを装備。

当時はP形とF形で運用が分かれていましたが、F形がP形の代走としてブルートレインを牽引することもあったようです。 このように、見た目は似ていても、それぞれの使命に合わせて細かな仕様が異なっているのがEF65形500番台の奥深さと言えるでしょう。

栄光の軌跡を辿る!EF65 501号機のあゆみ

1965年のデビュー以来、EF65 501号機は半世紀以上にわたって様々な場面で活躍してきました。華やかなブルートレイン牽引の時代から、貨物列車を黙々と牽引した時代、そしてイベント列車で再び脚光を浴びる現在まで、その歩みは日本の鉄道史そのものです。

デビューからブルートレイン牽引時代

1965年に誕生したEF65 501号機は、東京機関区に配属され、すぐに東海道・山陽本線の花形であるブルートレインの牽引に抜擢されました。 「さくら」「みずほ」「はやぶさ」「富士」といった、東京と九州を結ぶ寝台特急の先頭に立ち、夜の東海道を西へ向かって走り抜けました。

当時のブルートレインは多くの人々の憧れであり、その先頭に立つ特急色のEF65 500番台は、まさにスターのような存在でした。安定した高速性能を発揮し、ブルートレインのサービス向上に大きく貢献しました。この時代は、EF65 501号機にとって最も輝かしい時代と言えるでしょう。しかし、1978年になると後継機であるEF65形1000番台(PF形)が登場し、P形は徐々にブルートレイン牽引の第一線から退くことになります。

貨物列車牽引への転身

ブルートレイン牽引の任を後継機に譲ったEF65 501号機は、活躍の場を貨物輸送へと移します。 沼津機関区や高崎第二機関区などに所属し、東海道本線や上越線などで貨物列車を牽引しました。 華やかな旅客列車とは異なり、日本の物流を支える地道な任務でしたが、特急色のまま黙々と走り続ける姿は、また違った魅力を放っていました。

そして1987年の国鉄分割民営化の際、多くの500番台がJR貨物へ引き継がれる中、501号機は唯一JR東日本に継承されることになりました。 このことが、後にイベント列車などで再び脚光を浴びるきっかけとなります。

国鉄分割民営化とは?
1987年4月1日に行われた、日本国有鉄道(国鉄)の経営形態の改革です。国鉄はJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州の6つの旅客鉄道会社と、JR貨物などの貨物鉄道会社などに分割・民営化されました。

イベント列車での華麗なる復活

JR東日本に継承されたEF65 501号機は、高崎車両センター(旧 高崎運転所)に所属し、臨時列車や工事列車(通称:工臨)の牽引などで活躍を続けます。 特に、週末を中心に運転される「ELぐんま よこかわ」などのイベント列車では、旧型客車や12系客車を牽引し、往年の姿を彷彿とさせる走りを見せてくれました。

2014年12月には、リバイバル列車「富士」の先頭に立ち、24系客車を牽引して東海道本線を走ったことも大きな話題となりました。 また、鉄道開業150周年を記念したイベント列車を牽引するなど、節目のイベントには欠かせない存在として、多くのファンに感動を与え続けています。 これらの活躍により、EF65 501号機は単なる古い機関車ではなく、鉄道文化を伝える貴重な生き証人としての地位を確立しました。

ファンに愛され続ける理由

EF65 501号機がこれほどまでにファンに愛される理由は、その輝かしい経歴だけではありません。現役で走る唯一のEF65形500番台(P形)であるという希少性も大きな要因です。 僚機が次々と引退していく中で、孤軍奮闘する姿は多くの人々の心を打ちます。

さらに、P形のトップナンバーという栄光、ブルートレインを牽引した華やかな歴史、そして今なおイベント列車で美しい姿を見せてくれることなど、様々な要素が絡み合っています。その姿は、鉄道が輝いていた時代を思い出させ、見る者にノスタルジーと感動を与えてくれます。長い年月を走り続けてきたからこそ纏うことができる風格と物語が、EF65 501号機の最大の魅力なのです。

現在のEF65 501号機はどこに?

長年にわたり活躍を続けてきたEF65 501号機ですが、現在もJR東日本に在籍しています。ここでは、現在の所属先や活躍の様子、そしてファンがその姿を見ることができる機会について紹介します。

所属するぐんま車両センター

EF65 501号機は、現在、JR東日本 ぐんま車両センター(旧 高崎車両センター)に所属しています。 ここは、D51 498号機やC61 20号機といった蒸気機関車(SL)や、旧型客車など、貴重な車両が多く所属する基地として知られています。

近年、ぐんま車両センターに所属していた他の電気機関車(EF64形など)が営業運転を終了し廃車となる中、EF65 501号機は同センターで最後の電気機関車として残っています。 2024年秋をもって営業運転を終了したものの、その後の動向が注目されており、イベントなどでの展示が期待されています。

主な活躍の場と臨時列車

近年のEF65 501号機の主な活躍の場は、群馬県内を中心に運行される臨時イベント列車でした。「ELぐんま よこかわ」や「ELぐんま みなかみ」といった列車で、12系客車や旧型客車を牽引する姿が頻繁に見られました。 これらの列車では、蒸気機関車(SL)と連結してプッシュプル運転(列車の前後に機関車を連結する方式)を行うこともあり、鉄道ファンを楽しませてくれました。

また、線路の交換工事などで使われるレールを運ぶ「工事臨時列車(工臨)」の牽引も重要な役割の一つでした。 首都圏の路線に姿を現すこともあり、その際には多くのファンがカメラを構えました。 2024年11月に営業運転を終了したため、今後は定期的な走行シーンを見ることは難しくなりましたが、その功績は色褪せることがありません。

営業運転は終了しましたが、その人気は健在です。今後のイベント情報などに注目が集まります。

イベントでの展示や撮影会の様子

営業運転を終了した後も、EF65 501号機は各種イベントの主役として活躍しています。JR東日本では、ぐんま車両センターや高崎駅の留置線などで、有料の撮影会イベントを頻繁に開催しています。

これらのイベントでは、かつてブルートレイン牽引時に掲げられていた「さくら」や「富士」といったヘッドマークを装着した姿が披露されることもあり、ファンにとっては見逃せない機会となっています。 参加者が自作のヘッドマークを持ち込んで取り付けることができる企画もあり、毎回大きな盛り上がりを見せています。

2025年3月には、同じく人気の高いEF64 1001号機と並べた撮影会が企画されるなど、今後もファンを楽しませてくれる機会が設けられることが期待されます。 イベントでは、車両を間近で撮影できるだけでなく、運転台の機器操作を体験できるプランも用意されることがあり、その人気は衰えることを知りません。

EF65 501号機をもっと楽しむには

実車を見る機会は限られていますが、EF65 501号機の魅力は様々な形で楽しむことができます。ここでは、鉄道模型や写真撮影、関連グッズなどを通じて、Pトップの世界をより深く味わうための方法をご紹介します。

鉄道模型(Nゲージ)の世界

EF65 501号機は、その人気の高さから鉄道模型の世界でも定番の製品として親しまれています。特に「Nゲージ」と呼ばれる縮尺1/150の模型では、TOMIX(トミックス)KATO(カトー)といった主要メーカーから製品化されています。

最近の製品は非常に精巧に作られており、特徴的なクリーム色のナンバープレートや、屋根上の機器類、運転台の内部までリアルに再現されています。別売りの客車(20系や12系など)と組み合わせれば、自宅のテーブルの上で往年のブルートレイン編成やイベント列車を再現して楽しむことができます。 JRマークが撤去された後の近年の姿を再現したモデルなど、時代設定に応じた製品も発売されており、コレクションする楽しみも広がります。

メーカー 主な特徴
TOMIX シャープな造形に定評。近年の姿を再現した製品(品番7124など)や、旧型客車とのセット製品などをラインナップ。
KATO 安定した走行性能とリアルなディテールが人気。500番台P形特急色として製品化(品番3060-4など)。

写真撮影のポイントと注意点

イベントなどでEF65 501号機の実車を撮影する機会に恵まれた際は、ぜひその勇姿を記録に残したいものです。撮影会では様々な角度からじっくりと撮影できますが、いくつかポイントを押さえることで、より魅力的な写真を撮ることができます。

まずは、特徴的な連結器周りやナンバープレートに注目してみましょう。P形ならではのすっきりとしたスカートや、トップナンバーを示す「501」のプレートをアップで撮影すると、この車両ならではの個性を表現できます。また、ヘッドマークが取り付けられている場合は、それを中心に構図を組むのが定番です。

撮影時の注意点

  • イベントのルールや係員の指示を必ず守りましょう。
  • 他の参加者の迷惑にならないよう、譲り合って撮影しましょう。
  • SNSなどに写真を投稿する際は、個人が特定できるような写真の公開は控えましょう。
  • 立ち入り禁止の場所には絶対に入らないようにしましょう。

安全とマナーを守って、気持ちよく撮影を楽しむことが大切です。

関連グッズや書籍の紹介

EF65 501号機の魅力は、模型や写真だけにとどまりません。この名機を特集した書籍や雑誌、DVDなども数多く出版されています。国鉄時代のブルートレインを特集した本では、必ずと言っていいほどその活躍が紹介されています。EF65形電気機関車をテーマにした専門書では、501号機の詳細な図面や歴史、各時代の写真などが掲載されており、より深く知りたい方におすすめです。

また、鉄道イベントなどでは、EF65 501号機をデザインしたクリアファイルやキーホルダーといった記念グッズが販売されることもあります。こうしたグッズを集めるのも、ファンならではの楽しみ方の一つです。最近では、引退した名車両を特集したムック本なども人気で、「ザ・ラストワン」としてEF65 501号機が取り上げられた際には、特典としてポスターが付くこともありました。

EF65 501号機が語りかける不朽の物語

この記事では、ブルートレイン牽引の星として誕生し、今なお多くのファンに愛される電気機関車EF65 501号機の魅力について、その歴史や特徴、現在の姿を交えながらご紹介しました。

1965年のデビューから半世紀以上、EF65 501号機は日本の鉄道輸送の変遷を見つめ続けてきました。東海道を駆け抜けた栄光のブルートレイン時代、物流を支えた貨物列車牽引時代、そしてイベント列車として再びファンの前に姿を現した復活の時代。その一つ一つの歩みが、この機関車に深い物語を刻み込んでいます。

営業運転を終えた現在も、その存在感は色褪せることがありません。撮影会などのイベントで披露される美しい姿は、私たちに鉄道が持つロマンと歴史の重みを静かに語りかけてくれます。唯一現役で残るP形トップナンバーとして、EF65 501号機はこれからも日本の鉄道史における特別な存在として輝き続けることでしょう。

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