神奈川県大和市の主要な交通拠点である中央林間駅。東急田園都市線と小田急江ノ島線が交差するこの駅では、近年大規模なリニューアルが続いています。駅を利用するたびに新しい囲いや通路の変化を目にし、「いつ終わるの?」「何が変わるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
中央林間駅の工事は、単なる老朽化対策ではありません。乗り換え時の激しい混雑を解消し、誰もが安全に利用できる「次世代のステーション」へと進化するための重要なステップです。本記事では、鉄道ファンや地域住民の視点から、現在進められている工事の詳細や将来の姿をわかりやすくお伝えします。
最新の進捗状況を知ることで、毎日の通勤・通学が少しだけ楽しみになるはずです。それでは、大きく様変わりを遂げている中央林間駅の今を見ていきましょう。
中央林間駅の工事が続く理由とプロジェクトの全体像

中央林間駅で進められている一連の工事は、小田急電鉄、東急電鉄、そして大和市が連携して取り組んでいる大規模なプロジェクトです。まずは、なぜこれほど長い期間をかけて工事が行われているのか、その目的と全体スケジュールを整理します。
混雑緩和と安全性の向上を目指した大型事業
中央林間駅は、1日あたり約20万人近くが利用する巨大なターミナル駅です。しかし、駅の構造が古く、特に乗り換え通路となる南口付近や、ホームにある階段周辺では、朝夕のラッシュ時に激しい混雑が発生していました。
今回の工事の最大の目的は、この「旅客滞留(人が溜まって動けなくなる状態)」を解消することにあります。通路を広げ、改札を増やすことで、人の流れをスムーズにする計画です。あわせて、万が一の転落事故を防ぐためのホームドア設置など、安全性の向上もセットで進められています。
単に綺麗にするだけでなく、ストレスなく歩ける空間を目指しているのが特徴です。利用者が多いため、列車の運行を止めることなく夜間中心に作業を行う必要があり、完了までには相応の歳月を要しています。
東急・小田急の両路線で進むバリアフリー化
中央林間駅は、階段の昇り降りが多く、車椅子を利用する方やベビーカーを押す方にとって課題が多い駅でした。今回の事業では、エレベーターの増設やスロープの整備といったバリアフリー化が徹底されています。
小田急側では新設された東口改札にバリアフリー対応のワイド改札機を導入し、東急側でもエスカレーターの更新やトイレのリニューアルが進められました。これにより、高齢者や小さなお子様連れでも安心して移動できる環境が整いつつあります。
国や自治体からの補助金も活用されており、まさに「街のインフラ」としての機能をアップデートする国家プロジェクトに近い規模感です。こうした配慮は、将来的な人口動態の変化を見据えた、非常に重要な改善といえるでしょう。
2025年度に向けて進む最終段階のスケジュール
工事は2018年頃から本格的に始まりましたが、現在は2025年度の完成を目指した最終段階に入っています。新型コロナウイルス感染症の影響で一部の資材調達や作業計画に遅れが生じた時期もありましたが、着実にゴールへ向かっています。
現在は小田急ホームの拡幅や、上りホームでの仮設通路(迂回通路)の運用など、最も変化の激しい時期を迎えています。2025年中には、長らく続いた駅構内のフェンスや仮囲いが取り払われ、開放的な空間が広がる予定です。
完成後には、今までのような狭い通路で肩を寄せ合って歩く光景は、過去のものとなるでしょう。最終的な仕上がりに向けて、一歩ずつ利便性が高まっていく様子は、地域全体にとって明るいニュースといえます。
小田急中央林間駅で進むホーム拡幅と最新の改良状況

小田急江ノ島線の中央林間駅では、ホーム上での安全確保と混雑対策が集中的に行われています。特にホームの幅を広げる工事は、物理的なスペースの限界に挑む難易度の高い作業です。
上りホームの「迂回通路」設置と階段の移設
現在、小田急の上りホーム(相模大野・新宿方面)を利用している方は、通路が曲がりくねっていたり、仮設の階段を利用したりしているのではないでしょうか。これは、既存の階段を撤去・移設してホームを広げるための「迂回通路」です。
中央林間駅はもともとホームが狭く、特に階段付近に人が集中すると危険な状態でした。そこで階段を移動させ、その空いたスペースをホームとして活用することで、乗客がゆとりを持って電車を待てるようにしています。
この迂回通路は、工事の進捗に合わせて場所が細かく変わるため、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、これこそがホーム全体の安全性を劇的に向上させるための「産みの苦しみ」ともいえる工程なのです。
安全性に配慮したホームドアの導入と稼働
中央林間駅を利用していて最も大きな変化を感じるのは、可動式ホーム柵(ホームドア)の設置ではないでしょうか。小田急電鉄では、乗降客数の多い主要駅から順次ホームドアの整備を進めてきました。
中央林間駅でも、ホーム拡幅工事と並行してホームドアの設置が完了し、現在は安定して稼働しています。これにより、誤って線路に転落したり、通過電車と接触したりするリスクが大幅に軽減されました。
また、ホームドアの設置は「定時運行」にも寄与します。人身事故や接触トラブルが減ることで、ダイヤの乱れが少なくなり、結果として日々の通勤・通学がより確実なものになります。見た目だけでなく、運行の質を支える重要な設備です。
利便性を劇的に変えた「東口改札」の役割
2021年に新設された「東口改札」は、駅全体の人の流れを変える画期的な施設となりました。これまで中央林間駅は北口と南口の2箇所しかなく、特に東側エリアから利用する人は遠回りを強いられていました。
この東口改札は交通系ICカード専用となっており、非常にコンパクトな造りですが、その分メンテナンスコストが抑えられています。また、東側からのアプローチが容易になったことで、周辺の住宅街や商業施設へのアクセスが飛躍的に向上しました。
【東口改札のポイント】
・交通系ICカード専用(切符は利用不可)
・無人改札だが、インターホンで南口の駅員と通話可能
・ワイド改札やスロープ完備でバリアフリー対応
新たな改札の誕生は、既存の南口改札への集中を分散させる効果もあり、駅全体の混雑緩和に大きく貢献しています。
乗り換えのストレスを解消する連絡通路と動線の変化

中央林間駅といえば、東急と小田急の「乗り換え」が代名詞です。朝のピーク時には1分間に数百人が通路を行き交うため、この動線の改善がプロジェクトの本丸となっています。
慢性的な混雑を解消するための通路幅の確保
乗り換え連絡通路は、もともと「ボトルネック」と呼ばれる狭い箇所があり、そこで歩行速度が極端に落ちていました。これを解消するために、駅舎の一部を改修し、物理的に歩行空間を広げる工事が行われています。
通路が広くなることで、対向から歩いてくる人と肩がぶつかるような心配が減ります。また、追い越しもスムーズにできるようになるため、急いでいる時でもストレスを感じにくくなるのがメリットです。
単に通路を広げるだけでなく、視覚的に広く感じられるようなデザインや照明の改善も盛り込まれています。これにより、圧迫感のない快適な乗り換え環境が実現しようとしています。
南口改札周辺の滞留を抑える新しい人の流れ
乗り換え客が最も集中する「小田急南口」と「東急中央林間駅正面口」の間のエリアも、大きくリニューアルされています。以前は改札を出てすぐに人が滞留してしまい、通行の妨げになっていました。
工事では改札機の配置を見直し、スムーズに次の駅舎へ向かえるような動線設計を行っています。さらに、前述した東口改札へ一部の客層が流れるようになったことで、南口周辺の密度が以前よりも緩和されるようになりました。
滞留が減ることは、防犯や防災の観点からも非常に有効です。混雑による不快感を減らすだけでなく、災害時のスムーズな避難経路の確保という、目に見えない安心も提供されています。
雨の日も安心なバリアフリー経路の充実
乗り換え通路の屋根の整備や、段差の解消も着実に進んでいます。中央林間駅の乗り換えは一度外に出るような感覚がありましたが、工事によって雨に濡れにくい構造が強化されました。
また、エレベーターの位置が分かりやすくなり、ベビーカー利用の親御さんや足腰の弱い方でも、最短ルートで移動できるよう工夫されています。点字ブロックの敷設し直しなど、細かな配慮も欠かしていません。
こうした「誰にとっても優しい通路」へのアップデートは、駅の格を上げることに繋がります。乗り換えのしやすさが評価されれば、中央林間を拠点に生活する人の満足度もさらに高まっていくことでしょう。
東急田園都市線の駅ビル「エトモ中央林間」と周辺の整備

東急電鉄側では、駅直結の商業施設「エトモ中央林間」を中心としたリニューアルが先行して行われてきました。始発駅としての利便性を活かした、賑わいのある駅づくりが魅力です。
駅と直結した商業施設の魅力とリニューアル
東急中央林間駅の改札を出てすぐの場所にある「エトモ中央林間」は、仕事帰りの買い物や食事に欠かせない存在です。工事の一環として、テナントの入れ替えや内装のリフレッシュが行われ、よりモダンで清潔感のある空間に生まれ変わりました。
スーパーや飲食店、ドラッグストアなどがコンパクトにまとまっており、乗り換えの合間に用事を済ませられるのが最大の強みです。利便性が向上したことで、駅周辺の生活価値も向上しています。
明るい照明と木のぬくもりを感じさせるデザインは、忙しい通勤時間の合間に少しの安らぎを与えてくれます。駅が単に「通過する場所」から「立ち寄りたい場所」へと変化している象徴といえるでしょう。
エスカレーター・エレベーターの更新による快適性
東急側のホームは地下に位置しているため、昇降設備の安定稼働が欠かせません。長年の使用で老朽化が進んでいたエスカレーターやエレベーターは、最新モデルへと順次更新されています。
最新の設備は静音性に優れ、故障のリスクも大幅に低減されています。また、消費電力が抑えられるなど、環境負荷の軽減にも貢献しています。地味な工事に思えるかもしれませんが、日々の定時性を支える重要なメンテナンスです。
東急田園都市線の始発駅として、多くの乗客をスムーズに地上へと運ぶために、こうした基盤部分のアップデートは非常に手厚く行われています。
始発駅としての機能を支える設備メンテナンス
中央林間駅は東急田園都市線の終着駅であり、多くの列車が折り返していく重要な拠点です。乗客の目に見える部分以外でも、信号設備や線路の補強、電源設備の増強といった「鉄道の心臓部」に関わる工事が継続的に行われています。
10両編成の大型列車が頻繁に発着するため、ホームや構造体にかかる負荷は想像以上です。これらを補強することで、将来にわたって安定した輸送サービスを維持できるようにしています。
「当たり前に電車が動き、安全に乗り降りできる」という日常を守るための工事。それこそが中央林間駅で行われている全ての作業に通底する、大切な使命といえます。
街づくりと連動した中央林間駅周辺の再開発計画

駅の工事と並行して、大和市が主導する周辺地域のまちづくりも進んでいます。駅を中心とした半径数百メートルのエリアが、より住みやすく、子育てしやすい環境へと再設計されています。
子育て世代に優しい駅前環境の整備(保育施設など)
大和市は「子育て支援」に力を入れている自治体として有名です。中央林間駅の改良工事では、駅直結や近接した場所に保育施設(認可保育所など)を設ける計画が盛り込まれました。
実際に、小田急マルシェ中央林間の中には、電車を見渡せる窓を持つ保育園が開園しており、送迎の利便性が非常に高いと評判です。仕事に向かうついでに子供を預けられる環境は、共働き世帯にとって何物にも代えがたいメリットとなります。
駅の中にこうした生活支援機能を詰め込むことで、中央林間駅は単なる交通手段の拠点を超え、地域生活を支えるコミュニティの中心へと進化しています。
歩行者の安全を守る踏切の拡幅工事
駅の北側にある「東林間7号踏切」など、駅周辺の踏切についても改良の手が入っています。これまでは道幅が狭く、自動車と歩行者が入り乱れて通行しており、安全面での不安が指摘されていました。
大和市と鉄道事業者が協力し、踏切の道幅を広げて歩行者用のスペースをしっかり確保する工事が行われました。これにより、駅の北側エリアから駅舎へ向かう人たちの安全性が飛躍的に向上しています。
駅構内だけでなく、駅から続く「道」まで含めて改良していく姿勢は、包括的な街づくりの一環といえるでしょう。
大和市が描く「中央林間地区街づくりビジョン」
一連の工事の背景には、大和市が策定した「中央林間地区街づくりビジョン」があります。これは、少子高齢化社会の中でも街が活力を維持できるよう、都市機能を駅周辺に集約させる計画です。
図書館の分館や行政窓口が入る「シリウス」の成功例に続き、中央林間でも市民が交流できる場の創出が期待されています。駅ビル内でのサービス充実や、街並みの美化などがこのビジョンに基づいて進められています。
再開発によって、より洗練された「住みたい街」へと成長していく中央林間。工事が終わる頃には、さらに魅力的なエリアになっていることでしょう。
中央林間駅の工事完了でさらに快適になる街の姿
ここまで中央林間駅の工事に関する様々な情報を見てきましたが、いよいよその全貌が見えてきました。これまでの工事内容を振り返ると、駅が抱えていた「混雑」「危険」「不便」という課題が、一つひとつ丁寧に取り除かれていることがわかります。
小田急側のホーム拡幅とホームドア設置、東急側の設備更新、そして両者を繋ぐ乗り換え通路の拡張。これらが全て統合されることで、中央林間駅は関東屈指の快適な乗り換えターミナルへと生まれ変わります。
最後に、今回の工事によってもたらされる主な変化をまとめておきましょう。
| 項目 | 主な改善内容 | もたらされるメリット |
|---|---|---|
| 乗り換え通路 | 通路幅の拡張、動線の整理 | ラッシュ時の混雑緩和、ストレス軽減 |
| ホーム環境 | ホーム拡幅、ホームドア設置 | 転落事故防止、定時運行の維持 |
| アクセス | 「東口改札」の新設 | 駅東側エリアからの利便性向上 |
| バリアフリー | 昇降設備の更新、スロープ整備 | ベビーカー、車椅子での移動がスムーズ |
| 周辺環境 | 保育施設の併設、踏切の拡幅 | 子育て世代の支援、歩行者の安全確保 |
中央林間駅の工事は2025年度に向けて最終盤を迎えています。日々変化する駅の様子は、少し不便を感じさせることもあるかもしれませんが、それはより良い未来への準備期間です。全ての工事が完了し、フェンスのない広々とした新しい駅に出会える日が、今から待ち遠しいですね。



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