小田急電鉄が誇る特急ロマンスカーは、観光から通勤まで幅広いシーンで親しまれている特別な列車です。しかし、いざ乗ろうと思うと「自分の降りたい駅に止まるのか」「どの列車を選べば早く着くのか」と迷ってしまうことも少なくありません。
ロマンスカーの停車駅は、列車の愛称や運行時間帯によって細かく設定されています。目的地へスムーズにたどり着くためには、それぞれの列車の特徴を事前に把握しておくことが大切です。この記事では、ロマンスカーの停車駅に関する情報を分かりやすく整理して解説します。
初めてロマンスカーを利用する方はもちろん、普段から使い慣れている方にとっても役立つ情報をまとめました。停車駅のルールを知って、より快適でスマートな鉄道の移動を楽しんでいきましょう。
ロマンスカーの停車駅を種別ごとに把握しよう

特急ロマンスカーには、目的地や運行ルートに合わせていくつかの種類(愛称)が用意されています。すべての列車が同じ駅に止まるわけではなく、主要駅を絞って速達性を重視したものから、地域の利便性を高めるために細かく停車するものまで様々です。まずは全体像を掴むことから始めましょう。
そもそもロマンスカーにはどんな種類があるの?
現在運行されているロマンスカーには、大きく分けて「はこね」「さがみ」「えのしま」「ふじさん」「モーニングウェイ」「ホームウェイ」といった名称が付けられています。これらは運行する区間や目的によって区別されています。
例えば、箱根方面へ向かう「はこね」は観光客向けの色合いが強く、新宿と小田原・箱根湯本を結ぶ主力列車です。一方で「さがみ」は小田原線内の主要駅にこまめに停車し、日常的な移動を支える役割を担っています。
また、使用される車両も「GSE(70000形)」や「MSE(60000形)」、「EXE/EXEα(30000形)」など複数あり、車両によって展望席の有無や座席の設備が異なります。停車駅とあわせて車両の特徴を知ることも、ロマンスカー選びの醍醐味と言えるでしょう。
主要なターミナル駅と停車駅の基本ルール
ロマンスカーの多くは新宿駅を起点としていますが、すべての列車が必ず停車する主要な駅が存在します。代表的なのは、新宿、町田、本厚木、小田原といった駅です。これらの駅は利用者が多く、ほとんどのロマンスカーが停車する拠点となっています。
ただし、最速達タイプである「スーパーはこね」のように、新宿を出ると小田原までノンストップで走る列車も存在します。一方で、平日の通勤時間帯などは、新百合ヶ丘や相模大野、秦野といった駅への停車が増える傾向にあります。
停車駅のパターンは時間帯によっても変動するため、駅の電光掲示板や公式サイトの時刻表を確認する習慣をつけると安心です。特に、都心から神奈川県西域へ向かう際は、自分が利用する時間帯の停車パターンを把握しておきましょう。
【ロマンスカーの主な停車駅一覧(代表例)】
・新宿駅(起点となる巨大ターミナル)
・町田駅(東京都町田市の中心駅)
・本厚木駅(厚木市の中心部で利用者多数)
・小田原駅(箱根への玄関口・新幹線接続)
・箱根湯本駅(箱根観光の拠点駅)
停車駅が列車によって異なる理由とは?
なぜこれほどまでに停車駅が細かく分かれているのでしょうか。その大きな理由は「速達性」と「利便性」の両立にあります。観光客は少しでも早く目的地に着きたいと考えますが、沿線住民は自分の最寄り駅に止まってほしいと願います。
小田急電鉄では、これらのニーズに応えるために、時間帯や列車の性格に合わせて停車駅を戦略的に設定しています。例えば、観光需要が高い土休日の午前中は、箱根へ直行する列車の速達性を高め、移動時間の短縮を図っています。
逆に、平日の夕方以降は「ホームウェイ」として、多くの沿線主要駅に停車させることで、仕事帰りの方々が利用しやすいように配慮されています。このように、利用者のライフスタイルに合わせたきめ細やかな設定が、ロマンスカーの魅力となっています。
観光に便利な「はこね」と「えのしま」の停車パターン

ロマンスカーの代名詞とも言えるのが、観光地へと運んでくれる「はこね」と「えのしま」です。これらの列車は週末を中心に多くの観光客で賑わいます。特に展望席がある車両は人気が高く、移動そのものがレジャーの一部として楽しまれています。
箱根観光のメイン「はこね」「スーパーはこね」の停車駅
「はこね」は新宿から箱根湯本までを結ぶ、最もポピュラーなロマンスカーです。停車駅は列車によって異なりますが、一般的には成城学園前、新百合ヶ丘、町田、相模大野、海老名、本厚木、伊勢原、秦野、松田、小田原の中から数駅を選択して停車します。
特筆すべきは「スーパーはこね」です。これは土休日の下りなど限られた本数のみ運行される最速列車で、新宿を出発すると小田原まで止まりません。新宿から小田原まで約60分、箱根湯本まで約75分という圧倒的な速さを誇ります。
箱根湯本駅へ直通するため、乗り換えの煩わしさがないのが最大のメリットです。小田原駅で箱根登山電車に乗り換える手間を省き、ゆったりと座ったまま温泉街の入り口までたどり着けるため、大きな荷物を持っている時にも非常に便利です。
「スーパーはこね」は非常に停車駅が少ないため、町田や本厚木から乗車しようと考えている方は注意が必要です。必ず駅の掲示や予約画面で停車駅を確認してください。
湘南エリアへ直行する「えのしま」の停車駅
「えのしま」は新宿から片瀬江ノ島駅を結ぶ列車で、湘南観光や江の島へのアクセスに最適です。主な停車駅は、新百合ヶ丘、相模大野、大和、藤沢、片瀬江ノ島となっています。小田原線から江ノ島線へと分岐していくのが特徴です。
この列車のポイントは、藤沢駅で進行方向が変わること(スイッチバック)です。藤沢駅に到着した列車は、向きを変えて終点の片瀬江ノ島駅へ向かいます。そのため、座席を回転させる必要はありませんが、進行方向が逆転する感覚は独特です。
片瀬江ノ島駅は、竜宮城を模したユニークな駅舎が特徴で、駅を出ればすぐに江の島の海が広がります。江ノ電への乗り換えも徒歩圏内で可能なため、鎌倉方面への観光ルートの一部として組み込むのもおすすめです。
観光シーズンに運行される臨時列車の特徴
ゴールデンウィークや夏休み、紅葉のシーズンといった繁忙期には、通常の定期列車に加えて臨時列車が運行されることがあります。これらの臨時列車は、通常のダイヤにはない停車駅の設定や、普段は走らない時間帯の運行が行われるのが特徴です。
臨時列車の多くは「はこね」として運行されますが、特定のイベントに合わせて停車駅が追加されることもあります。例えば、大山(伊勢原市)への参拝客が増える時期には、伊勢原駅に停車する本数が増えるといった具合です。
これらの情報は小田急電鉄のニュースリリースや公式サイトで随時発表されます。混雑が予想される時期にロマンスカーを利用する場合は、臨時列車の情報をチェックすることで、希望の時間帯に予約を取りやすくなる可能性が高まります。
通勤・通学に活躍する「さがみ」と「ホームウェイ」の停車駅

ロマンスカーは観光のためだけの乗り物ではありません。平日の朝夕を中心に、通勤・通学の足としても絶大な支持を得ています。満員電車を避けて、座ってゆったりと移動できる「有料特急」としての側面を詳しく見ていきましょう。
日中の短距離移動に便利な「さがみ」の停車駅
「さがみ」は主に新宿から小田原までの区間を運行し、小田原線内の主要駅をきめ細かくつなぐ列車です。箱根湯本までは行かないものの、本厚木や秦野といった神奈川県内の主要都市へのアクセスに非常に優れています。
停車駅は「はこね」に比べて多めに設定されており、町田、本厚木、秦野などへの停車が基本となります。これにより、都心への用事やビジネスでの移動において、急行列車よりも快適かつスピーディーな移動手段として重宝されています。
また、日中の「さがみ」は比較的空席があることも多く、急な移動の際にも利用しやすいのが特徴です。全車指定席のため、必ず座れるという安心感は、仕事で疲れている時や集中して作業をしたい時において大きなメリットとなります。
夕夜間の帰宅を支える「ホームウェイ」の停車パターン
夕方18時以降に新宿駅を出発する下り特急列車は、すべて「ホームウェイ」という愛称に変わります。その名の通り、仕事や学校から自宅へ帰る人たちのために運行されており、停車駅の設定も住宅街に近い主要駅が中心です。
ホームウェイには小田原行きだけでなく、片瀬江ノ島行きも設定されています。特に、都心で働くビジネスパーソンにとって、新宿から町田、相模大野、海老名、本厚木といった駅まで座って帰れることは、一日の疲れを癒やす貴重な時間となります。
停車駅の大きな特徴は、多摩線方面(唐木田行き)の設定があることです(現在は廃止されていますが、過去のダイヤでは存在しました)。現在は小田原線と江ノ島線方面が中心ですが、沿線の利便性を最大限に考慮したダイヤ編成がなされています。
朝の通勤を快適にする「モーニングウェイ」の魅力
「モーニングウェイ」は、朝の通勤時間帯に上り方面(新宿行き)で運行される列車です。かつては「さがみ」の一部として運行されていましたが、朝専用の名称として独立しました。これにより、朝の着席ニーズがより分かりやすくなりました。
停車駅は、本厚木、海老名、相模大野、町田、新百合ヶ丘といった、利用者の多い主要駅を網羅しています。朝のラッシュ時間帯において、確実に座って新聞を読んだりメールチェックをしたりできる環境は、非常に高い価値を持っています。
また、東京メトロ千代田線へ直通する「メトロモーニングウェイ」も運行されており、北千住や大手町、霞ケ関といったオフィス街へダイレクトにアクセスできます。乗り換えなしで都心深部まで座って行けるため、非常に人気が高い列車です。
地下鉄やJR線へ直通する特殊なロマンスカーの停車駅

ロマンスカーの大きな特徴の一つに、小田急線内だけにとどまらず、他の鉄道会社へ乗り入れている点があります。地下鉄の都心部や、静岡県側のJR線まで足を延ばす列車があり、その停車駅はさらに個性的です。
東京メトロ千代田線内も走る「メトロはこね」「メトロホームウェイ」
青い車体が特徴の「MSE(60000形)」は、地下鉄線内を走行できる特別な設計になっています。「メトロはこね」は北千住駅を始発・終着とし、大手町、霞ケ関、表参道といった都心の主要駅に停車した後、小田急線へ入ります。
地下鉄線内の停車駅は限られていますが、都心から箱根へ向かう際に新宿駅での乗り換えが不要になるのは画期的です。千代田線沿線にお住まいの方や、常磐線方面から来る方にとって、利便性が飛躍的に向上しています。
夜間に運行される「メトロホームウェイ」も同様で、都心のオフィス街から神奈川県内の各駅まで一本で結びます。地下鉄のホームに豪華なロマンスカーが入線してくる光景は、今でも多くの人々の注目を集める特別なシーンです。
【地下鉄線内の主な停車駅】
・北千住駅(足立区の巨大ターミナル)
・大手町駅(東京のビジネスの中心)
・霞ケ関駅(官庁街へのアクセス)
・表参道駅(流行の発信地・銀座線・半蔵門線接続)
※地下鉄線内のみの利用はできません。必ず小田急線とのまたぎ利用が必要です。
JR御殿場線に乗り入れる「ふじさん」の停車駅
「ふじさん」は、新宿駅からJR御殿場線の御殿場駅までを結ぶ直通特急です。かつては「あさぎり」という名称で親しまれていましたが、現在は富士山観光をより意識した名称に変更されています。こちらもMSE車両が使用されます。
停車駅は、新宿、新百合ヶ丘、相模大野、本厚木、秦野、松田(JR連絡線経由)、駿河小山(一部)、御殿場となっています。最大の特徴は、新松田駅の近くにある連絡線を通り、JR松田駅のホームに入線する点です。
御殿場駅は富士山東口への玄関口であり、近くには富士御殿場蒸溜所や大型アウトレットモールもあります。JRと小田急がタッグを組んで運行するこの列車は、県境を越えた広域的な移動を支える重要な役割を果たしています。
直通運転ならではの注意点と乗り換えのポイント
他社線へ直通するロマンスカーを利用する際は、いくつか注意点があります。まず、チケットの予約システムです。小田急の「e-Romancecar」などで予約可能ですが、JR線内を含む区間の場合は、発券ルールが異なる場合があります。
また、地下鉄線内の駅にはロマンスカー専用の待合室がないことが多いため、乗車位置を事前に確認しておくことが大切です。足元の乗車口案内を頼りに、列車が来るのを待ちましょう。地下鉄の狭いホームに特急が来るため、黄色い線の内側で待つ意識がより重要です。
さらに、直通列車は運行距離が長いため、どこか一箇所で遅延が発生すると影響を受けやすい側面もあります。利用する当日は、小田急線だけでなく、東京メトロやJRの運行状況も合わせて確認しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
ロマンスカー利用時に知っておきたい乗車ルールと予約のコツ

目的の駅に止まるロマンスカーが見つかったら、次は実際に乗るための準備をしましょう。ロマンスカーは全席指定制のため、事前の特急券購入が必須です。スムーズに乗車し、快適な時間を過ごすためのポイントを整理しました。
特急券の買い方とチケットレス乗車サービスのメリット
ロマンスカーの特急券は、駅の券売機や窓口で購入できますが、最も便利なのはスマートフォンから予約できる「チケットレスサービス」です。小田急電鉄の「ロマンスカー@クラブ」や「e-Romancecar」を利用すれば、どこでも予約が可能です。
チケットレスの最大のメリットは、駅で券売機に並ぶ必要がないことです。発車間際でも空席があればその場で予約でき、スマホの画面がそのまま特急券の代わりになります。また、座席表を見ながら自分の好きな席をピンポイントで選べるのも嬉しい点です。
万が一、予定が変わって1本後の列車に変更したい場合も、ネット上で簡単に変更手続きができます。手数料がかからない(または安価な)ケースが多く、柔軟な旅行プランに対応できるため、現代のロマンスカー利用には欠かせないツールです。
特急券のほかに、乗車区間の運賃(乗車券または交通系ICカードの残高)が必要です。特急料金だけでは乗車できませんので注意しましょう。
前展望・後展望席を予約するためのコツ
ロマンスカーGSE(70000形)や過去のVSEなどの特徴といえば、運転席を2階に配置することで実現した「展望席」です。目の前に広がる大パノラマは圧巻で、この席に座るためにロマンスカーを選ぶ人も少なくありません。
展望席は非常に人気が高いため、予約開始と同時に埋まってしまうことが珍しくありません。予約は乗車日の1ヶ月前、午前10時からスタートします。展望席を狙うなら、このタイミングに合わせてネット予約に臨むのが鉄則です。
もし10時の時点で取れなかったとしても、諦めるのは早いです。乗車日の数日前や前日になると、キャンセル分がポッと空くことがあります。こまめに空席照会をチェックしていると、運良く最前列のチケットを手にできるかもしれません。
車内設備やバリアフリー対応について
最新のロマンスカー車両は、すべての人が快適に過ごせるようバリアフリー化が進んでいます。車椅子スペースの確保や、多機能トイレの設置はもちろん、荷物置き場も充実しています。ベビーカーを持っての移動も、以前に比べて格段にスムーズになりました。
車内では無料のWi-Fiサービスが提供されている車両もあり、移動中に仕事をしたり動画を楽しんだりすることも可能です。各座席にコンセントが設置されている車両(GSEやEXEαなど)を選べば、スマートフォンの充電切れを心配する必要もありません。
また、かつてのような「走る喫茶室」と呼ばれた車内販売サービスは残念ながら終了してしまいましたが、駅の売店でお弁当や飲み物を買い込んで乗り込むのも旅の楽しみです。各座席には大型のテーブルが備わっているため、車内での食事も快適に楽しめます。
| 車両形式 | 主な特徴 | コンセント |
|---|---|---|
| GSE (70000形) | 最新型・展望席あり・大きな窓 | 全席あり |
| MSE (60000形) | 青い車両・地下鉄直通対応 | 一部あり |
| EXEα (30000形) | 落ち着いた内装・ビジネス向け | 全席あり |
| EXE (30000形) | スタンダードな特急車両 | なし |
まとめ:ロマンスカーの停車駅を賢く使い分けて快適な移動を
ロマンスカーの停車駅は、一見複雑に見えますが、その背景には「利用者のニーズに最大限応える」という工夫が詰まっています。観光で箱根や江の島へ急ぐなら「スーパーはこね」や「えのしま」、通勤でのんびり帰りたいなら「ホームウェイ」といった具合に、目的や時間帯に合わせて最適な列車を選ぶことができます。
特に主要駅である新宿、町田、本厚木、小田原などは、多くの列車が停車するため、ロマンスカー活用の拠点として覚えておくと非常に便利です。また、地下鉄線内やJR線内への直通運転も、上手に利用することで移動の質をぐっと高めてくれます。
全車指定席のゆとりある車内、美しい沿線風景、そして最新車両の快適な設備。停車駅のルールをマスターすれば、ロマンスカーはあなたの移動をもっと楽しく、もっと快適なものにしてくれるはずです。次のお出かけや帰宅の際には、ぜひ今回の内容を参考に、最適なロマンスカーを選んでみてください。





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