千葉県北西部を走る新京成電鉄は、その鮮やかな「ジェントルピンク」の車体カラーが特徴的な路線です。都心へのアクセスも良く、住宅街の中を縫うように走るカーブの多さから、鉄道写真ファンにとっても非常に魅力的な被写体となっています。
この記事では、新京成撮影地を探している方に向けて、沿線の定番ポイントから穴場スポットまでを詳しく解説します。2025年4月の京成電鉄との合併を控え、現在の姿を記録しておきたいという方も多いのではないでしょうか。初心者の方でも安心して撮影できるよう、具体的な場所や撮り方のポイントを優しくお伝えしていきます。
街並みと調和するピンク色の電車を、ぜひあなたらしい1枚に収めてみてください。季節ごとの風景や、新京成ならではの急カーブなど、撮影のヒントが満載の内容となっています。
新京成撮影地選びのポイントと路線の特徴

新京成電鉄は、元々日本陸軍の鉄道連隊が演習用に敷設した線路を転用したという歴史があります。そのため、敵の攻撃を避ける目的でわざと作られた「不自然なほどの急カーブ」が各所に点在しているのが最大の特徴です。
このカーブこそが、新京成を撮影する上での醍醐味といえます。直線では味わえないダイナミックな車両の表情を狙えるため、撮影地選びでは「カーブの角度」や「障害物の少なさ」を意識すると良いでしょう。
「ジェントルピンク」を綺麗に発色させる光線状態
新京成の車両といえば、ホワイトのボディに映えるジェントルピンクのラインが印象的です。この色を鮮明に記録するためには、光の当たり方(光線状態)を意識することが欠かせません。順光、つまり太陽が自分の背中側にある状態で撮影すると、ピンク色がくっきりと美しく再現されます。
新京成線は南北に走る区間と東西に走る区間が複雑に入り混じっているため、時間帯によって最適な撮影場所が変わります。午前中は上り(松戸方面)が順光になる場所が多く、午後は下り(千葉中央・京成津田沼方面)が綺麗に撮れるスポットが増える傾向にあります。
曇りの日は影を気にせず撮影できるというメリットもありますが、やはり晴れた日の青空とピンクのコントラストは格別です。撮影に行く際は、スマートフォンの地図アプリなどで線路の向きを確認し、太陽の位置を予測しておくと失敗が少なくなります。
急カーブが生み出す迫力ある構図
新京成線は「日本一カーブが多い路線」と言われることもあるほど、曲がりくねった線形をしています。この特徴を活かすと、車両の先頭から後ろの方までがグッと曲がった、鉄道写真らしい迫力のある1枚が撮影できます。
特に有名などの撮影地でも、望遠レンズを使用して遠くから引き寄せるように撮ることで、カーブの急峻さを強調することが可能です。編成全体を収める「編成写真」を狙うなら、カーブの外側から狙うのがセオリーとなります。
一方で、カーブの内側から撮影すると、車両がこちら側にせり出してくるような力強い構図になります。ただし、内側は架線柱(電線を支える柱)が被りやすいため、隙間を縫うような工夫が必要です。場所ごとに最適な立ち位置を探してみるのも、撮影の楽しみのひとつです。
京成電鉄との合併前に記録しておくべき理由
新京成電鉄は、2025年4月に京成電鉄に吸収合併されることが発表されています。これに伴い、「新京成電鉄」という会社名や、独自のロゴマーク、そして象徴的なピンク色のカラーリングが今後どのように変化していくのか、多くの注目が集まっています。
現在走っている8800形や8900形、最新の80000形など、新京成オリジナルの車両たちが「今の姿」で走っている時間は限られているかもしれません。駅名標や車内のアナウンスなども含め、新京成らしさが残っているうちに記録しておくことは非常に価値があります。
松戸から八柱エリアの定番・穴場スポット

起点の松戸駅から八柱駅にかけては、住宅街の中を走る新京成らしい風景が広がっています。このエリアは比較的地形に起伏があり、坂を上り下りする電車の様子を撮影できるポイントも存在します。
駅からのアクセスが良い場所が多く、初心者の方でも気軽に撮影を始められるのが魅力です。まずはこのエリアで、新京成の車両感覚やシャッターチャンスを掴んでみることをおすすめします。
松戸新田〜みのり台間の有名カーブ
松戸新田駅からみのり台駅の間には、鉄道ファンに知られた有名なカーブが存在します。ここは線路が大きく弧を描いており、下り列車をアウトカーブから綺麗に収めることができるスポットです。
特に午後の時間帯は光線が良く、車体のピンク色が鮮明に浮かび上がります。住宅街の中にあるため、背後の建物が入り込みやすいですが、それもまた新京成らしい「街の中を走る電車」という雰囲気を出してくれます。
撮影時は歩道からの安全な場所を確保し、歩行者の邪魔にならないよう配慮しましょう。望遠レンズを使って車両を大きく切り取ると、背後の建物をぼかして整理された構図を作ることができます。
上本郷駅周辺の俯瞰ポイント
上本郷駅の周辺には、線路を跨ぐ陸橋(オーバーパス)があり、そこから電車を斜め上から見下ろす形で撮影することができます。これを鉄道写真の用語で「俯瞰(ふかん)撮影」と呼びます。
高い位置から撮ることで、普段は見ることができない屋根上のパンタグラフや冷房装置などのディテールを観察できるのが特徴です。また、線路脇の障害物に邪魔されにくいため、すっきりとした写真を撮りたい場合に適しています。
ただし、陸橋には高いフェンスが設置されていることが多いため、レンズを隙間に合わせるなどの工夫が必要です。三脚の使用が難しい場所もあるので、手持ちでの撮影に慣れておくと良いでしょう。
八柱駅近くの直線区間での編成写真
八柱駅の周辺は、比較的見通しの良い直線区間が続いています。ここでは、車両の正面から側面までをきっちりと記録する「編成写真」を狙うのに最適です。
特に80000形のような最新車両は、直線の線路で撮ることでそのスタイリッシュなデザインがより際立ちます。駅のホーム端からも狙えますが、沿線の公道からフェンス越しに撮影するのも変化があって面白いでしょう。
八柱駅は武蔵野線との乗り換え駅でもあり、人の往来が激しい場所です。撮影に夢中になりすぎて周囲への注意を怠らないよう、安全第一で行動してください。
松戸エリア撮影のコツ
松戸エリアは住宅の密集地を走るため、電柱や看板などの映り込みが多くなりがちです。F値(絞り)を少し小さくして背景をぼかすか、逆にシャープに写して「街の日常」を表現するか、テーマを決めて臨むと満足度の高い写真になります。
鎌ヶ谷エリアのカーブと高架区間を攻略

鎌ヶ谷エリアに入ると、近年完成した高架区間と、昔ながらの地上区間が混在する景色を楽しむことができます。新京成の中でも特に変化に富んだエリアであり、撮影のバリエーションを増やすには最適な場所です。
近代的な高架橋を行く電車の姿は、これからの新しい時代を感じさせます。一方で、地上区間では緑豊かな景色も残されており、季節感のある写真を狙うことも可能です。
北初富駅付近の高架アングル
北初富駅周辺は高架化が完了しており、非常にすっきりとした構図で撮影が可能です。高架区間は障害物が少なく、列車の足回りまで綺麗に見えるため、カタログのような美しい写真を撮ることができます。
ホームの端から撮影する場合も、広々とした空間を活かしてダイナミックな構図を作れます。最新の80000形車両は、この近代的な高架区間の景色に非常によくマッチします。
また、駅の外から見上げるような角度で撮影するのも一案です。空を大きく取り入れた構図にすれば、ピンク色の車体が青空に映えて、爽やかな印象の1枚に仕上がります。
鎌ヶ谷大仏〜二和向台間の急カーブ
鎌ヶ谷大仏駅から二和向台駅にかけては、新京成の中でも特に有名な急カーブが存在します。この区間は「く」の字を描くように線路が曲がっており、車体を大きく傾けながら走る電車の姿を捉えることができます。
望遠レンズを使用して遠くから狙うと、車両同士が重なり合うような密集感のある写真が撮れます。これは、新京成の線形の面白さを最も象徴する構図のひとつといえるでしょう。
ただし、この付近は道幅が狭い場所が多いため、三脚の使用は控えたほうが無難です。通行する方々の迷惑にならないよう、マナーを守ってスマートに撮影を楽しみましょう。
初富駅周辺の街並みとの調和
初富駅の周辺は、再開発が進みつつもどこか懐かしい街並みが残っています。高架下を利用した広場や新しい道路など、街が変化していく様子と電車を絡めて撮るのも、後で見返した時に記録としての価値が高まります。
ここでは車両をアップで撮るだけでなく、少し引いて「街の風景」として切り取ってみてください。人々が行き交う様子や、駅前のシンボル的な建物と一緒に写し込むことで、その場所ならではのストーリーが生まれます。
夕暮れ時になると、駅の明かりや街灯が灯り始め、ドラマチックな雰囲気になります。感度を少し上げて、夜の帳が下りる街を走るピンク色の電車を狙ってみるのもおすすめです。
鎌ヶ谷大仏駅の近くには、駅名の由来となった「鎌ヶ谷大仏」があります。鉄道撮影の合間に立ち寄って、地元の歴史に触れてみるのも街歩きの楽しみですね。
くぬぎ山周辺の車庫見学と沿線撮り

くぬぎ山駅の周辺には新京成電鉄の車両基地(くぬぎ山車両基地)があり、まさに新京成の心臓部ともいえるエリアです。多くの車両が休んでいる姿や、入換作業(車両を移動させること)を行う様子を間近で見ることができます。
車両基地周辺は、一度に多くの形式を見比べることができるため、車両ごとのデザインの違いをじっくり観察したい方には最高の撮影地です。
くぬぎ山車両基地を見渡せるポイント
車両基地の周囲には公道が通っており、フェンス越しに留置されている車両を撮影することが可能です。ズラリと並んだピンク色の電車たちは圧巻の光景で、新京成ファンならずとも興奮すること間違いありません。
ここでは広角レンズを使って、基地全体の広がりを表現するのがおすすめです。運が良ければ、引退が近い古い車両と最新車両が並んでいるシーンに出会えるかもしれません。
ただし、車両基地内は立ち入り禁止ですので、必ず敷地外から撮影するようにしましょう。また、フェンスにレンズを近づけすぎたり、脚立を使用したりする際は、周囲の安全に十分に注意してください。
くぬぎ山〜北初富間の直線と踏切
くぬぎ山駅から北初富駅方面へ少し歩くと、比較的長い直線区間があります。ここは踏切が多く設置されており、踏切脇から安全に電車を狙えるポイントがいくつか存在します。
直線区間では電車の速度が上がるため、シャッタースピードを速めに設定して被写体ブレを防ぎましょう。1/1000秒以上を目安にすると、動いている電車もピタリと止めて撮影できます。
また、踏切の警報機や遮断機を前ボケ(手前のものをわざとぼかす手法)として使うことで、鉄道写真らしい情緒的な雰囲気を作ることも可能です。
基地への入出庫シーンを狙う
車両基地の入り口付近では、本線から基地へと入っていく電車や、逆に出てくる電車を狙うことができます。これらの入出庫列車は非常にゆっくりとしたスピードで走るため、落ち着いてピント合わせを行うことができます。
本線を走る通常の列車とは異なる線路を通るため、普段は見られないようなユニークな角度から撮影できるのが面白いポイントです。運行ダイヤを調べて、入出庫のタイミングを狙ってみるのも良いでしょう。
特に早朝や深夜に入出庫が多くなる傾向にありますが、日中も検査や清掃のために動く車両があります。基地の動きを観察しながら、じっくりとシャッターチャンスを待つのも撮影の醍醐味です。
津田沼方面の直線区間と駅撮りスポット

路線の終点である京成津田沼駅に近づくにつれ、沿線はより都会的な雰囲気を増していきます。このエリアでは、京成千葉線への乗り入れを行う列車も多く見られ、多彩な運用を記録することができます。
駅周辺は商業施設も多く、撮影の合間に食事や休憩を取りやすいのも嬉しいポイントです。手軽に本格的な写真を撮りたい時にぴったりのエリアといえます。
習志野〜北習志野間のロングストレート
習志野駅から北習志野駅の間には、見通しの良い長い直線区間があります。ここでは、編成全体を美しく収める「形式写真」の撮影に最適です。線路脇のフェンスが低めの場所を探すと、よりスッキリとした構図が得られます。
この区間は光を遮る高い建物が少ない場所もあり、夕暮れ時にはオレンジ色の光に照らされた美しい車両を撮ることができます。ジェントルピンクが夕日に染まる姿は、日中とはまた違った幻想的な表情を見せてくれます。
列車の間隔も比較的短いため、何度も練習しながら自分なりのベストな設定を見つけることができます。三脚を使って構図を固定し、理想の光が来るのを待ってみるのも良いですね。
高根木戸駅のホーム端からの撮影
駅のホームからの撮影、通称「駅撮り」も新京成では人気があります。特に高根木戸駅は、ホームの端から入線してくる列車を安全かつ綺麗に狙えるスポットとして知られています。
ホーム上は足場が安定しており、障害物も少ないため、失敗の少ない写真を撮ることができます。特に初心者の方は、まずは駅撮りで電車の動きに慣れることから始めるのが上達の近道です。
撮影時は、他のお客様の通行を妨げないように端に寄り、黄色い点字ブロックの内側から撮影することを徹底しましょう。マナーを守ることで、これからも駅での撮影を楽しむことができます。
京成津田沼駅での京成線との並び
終点の京成津田沼駅では、新京成の車両と京成電鉄の車両が顔を合わせるシーンが見られます。2025年の合併を前に、この「他社同士の並び」としての光景は今のうちに記録しておきたい貴重なシーンです。
京成線のスカイブルーと、新京成のピンク色の対比は、非常にカラフルで画面に華やかさを与えてくれます。ホームの形状を活かして、両者が並ぶ瞬間をうまく切り取ってみてください。
また、京成津田沼駅付近には踏切もあり、そこから駅に停車中の電車を狙うこともできます。夜間は駅の照明が車両を照らし、バルブ撮影(長時間露光)のような手法で美しい夜景写真を撮ることも可能です。
駅撮りでの注意点
駅のホームで撮影する際は、以下のルールを必ず守りましょう。
・黄色い点字ブロックから外に出ない。
・フラッシュは運転士の視界を妨げるため使用禁止。
・三脚や一脚、脚立の使用は混雑の原因となるため控える。
・乗降客の邪魔にならないよう、周囲を常に確認する。
新京成撮影地で役立つ機材と設定のコツ

新京成の魅力を最大限に引き出すためには、少しだけ撮影機材やカメラの設定にもこだわってみましょう。高価な機材がなくても、設定のコツを掴むだけで、見違えるほどクオリティの高い写真が撮れるようになります。
ここでは、ピンク色の電車をより魅力的に見せるための具体的なテクニックをご紹介します。普段使っているデジタル一眼レフやミラーレスカメラ、あるいは高性能なスマートフォンの設定を見直す参考にしてください。
望遠レンズを活用して圧縮効果を狙う
新京成の「急カーブ」を表現するには、望遠レンズが欠かせません。35mm判換算で200mmから300mm程度のレンズがあると、遠くにある車両が重なって見える「圧縮効果」を活かした迫力ある写真になります。
圧縮効果を使うと、カーブの角度がより急に見え、車両同士の隙間が詰まるため、密度の高い構図が作れます。また、背景の建物を大きくぼかすことができるので、主役である電車をより引き立てる効果もあります。
最近のズームレンズは性能が良いため、1本持っておくと場所を選ばず柔軟に構図を調整できるので便利です。手持ちで撮影する場合は、手ブレ補正機能をオンにするのを忘れないようにしましょう。
シャッタースピードとLED表示の関係
現代の電車撮影で悩みの種となるのが、行先表示(LED)の「粉砕」です。シャッタースピードが速すぎると、LEDの文字が縞模様になったり、消えてしまったりすることがあります。
新京成の車両(特にN800形や8800形の一部など)は、LEDが切れやすいタイプも存在します。文字を綺麗に残したい場合は、シャッタースピードを1/400秒や1/500秒程度まで落として撮影してみてください。
ただし、スピードを落としすぎると電車自体がブレてしまうため、そのバランスが重要です。走行中の電車を止めるのか、LEDの文字を優先するのか、その場所の明るさや速度に合わせて調整してみましょう。
色再現(ホワイトバランス)でピンクを鮮やかに
カメラの「ホワイトバランス」設定を調整することで、ジェントルピンクの発色をより好みの色合いに近づけることができます。通常は「オート」で問題ありませんが、晴天時は「太陽光」に固定すると、色のバラつきが抑えられます。
さらに、カメラ内の設定(ピクチャースタイルや仕上がり設定)で「彩度」を少しだけ上げると、ピンク色がより鮮やかに強調されます。ただし、上げすぎると不自然な色合いになるため、微調整が肝心です。
また、露出補正(明るさの調整)をプラス側に少し振ると、車体のホワイト部分が明るくなり、爽やかで清潔感のある印象になります。新京成の明るいイメージを表現したい時に有効なテクニックです。
| おすすめ設定項目 | 設定値の目安 | 効果 |
|---|---|---|
| シャッタースピード | 1/500〜1/1000秒 | 走行シーンをピタリと止める |
| 絞り(F値) | F5.6〜F8.0 | 車両全体にピントを合わせる |
| 露出補正 | +0.3〜+0.7 | ピンクと白を明るく爽やかに |
| ホワイトバランス | 太陽光(晴天時) | 色の再現性を安定させる |
新京成撮影地での記録を楽しみ尽くすためのまとめ
ここまで、新京成撮影地のおすすめスポットや撮影のコツについて詳しく解説してきました。松戸から津田沼まで、それぞれのエリアに個性豊かな表情があり、撮れば撮るほど奥深さを感じるのが新京成の魅力です。
急カーブを力強く曲がるシーンや、住宅街の日常に溶け込むピンクの電車、そして歴史を感じさせる車両基地。これらの風景は、私たちの日常を彩る大切な鉄道文化の一部です。特に京成電鉄との合併という大きな節目を前に、現在の「新京成」としての姿を写真に残しておくことは、素晴らしい思い出になるはずです。
撮影の際は、何よりも安全とマナーを優先しましょう。沿線にお住まいの方々や、列車を利用するお客様、そして運行に携わるスタッフへの敬意を忘れずに。穏やかな気持ちでカメラを構えれば、きっと納得のいく最高の1枚が撮れることでしょう。
この記事が、あなたの新京成撮影ライフをより豊かにするきっかけになれば幸いです。カメラを持って、魅力あふれるピンクの電車に会いに出かけてみませんか。



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