787系がボロボロと言われる真相は?デビューから現在までの歴史と今後の展望

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JR九州を代表する特急列車の一つ、787系。1992年のデビュー以来、その洗練されたデザインと快適性で多くのファンを魅了してきました。 しかし近年、インターネット上などで「787系がボロボロになっている」という声を見かけることがあります。長年にわたり九州の主要路線で活躍を続けてきた名車ですが、実際のところ、その状態はどうなのでしょうか。

この記事では、787系が「ボロボロ」と言われてしまう理由を、その輝かしい歴史や現在の活躍ぶり、そして未来の展望とともに、わかりやすく解説していきます。デビューから30年以上が経過した今、787系が置かれている現状と、これからどこへ向かうのかを一緒に見ていきましょう。

787系がボロボロと言われるのはなぜ?噂の真相に迫る

デビューから30年以上、JR九州の顔として走り続けてきた787系。 一部の鉄道ファンや利用者から「ボロボロ」という声が上がる背景には、いくつかの要因が考えられます。ここでは、そのように言われてしまう理由を具体的に探っていきます。

製造から30年以上!経年による劣化の実態

787系が最初に営業運転を開始したのは1992年7月15日です。 つまり、初期に製造された車両はすでに車齢30年を超えています。人間と同じように、鉄道車両も年月が経てば各部に傷みが出てくるのは避けられません。特に787系は普通鋼製の車体であるため、ステンレスやアルミ製の車両に比べて腐食や塗装の劣化が起こりやすいという側面があります。

走行距離も相当なものになっており、長年の運用による金属疲労や部品の摩耗なども蓄積していると考えられます。こうした物理的な老朽化が、「ボロボロ」という印象につながる最も大きな理由と言えるでしょう。毎日多くの乗客を乗せて走り続ける宿命とも言えますが、見た目や性能に経年劣化が現れ始める時期に来ていることは間違いありません。

外観の塗装剥がれや傷が目立つ?

787系が「ボロボロ」と言われる際、特に指摘されがちなのが外観の傷みです。ダークグレーを基調としたシックな塗装は787系の魅力の一つですが、この色が傷や汚れを目立ちやすくさせている面もあります。 実際に、車体の塗装が剥がれていたり、テープで補修されたような跡が見られたりする車両も存在し、痛々しい印象を与えてしまうことがあります。

特に、海沿いを走る日豊本線などでの運用も多いため、潮風による塩害も塗装の劣化を早める一因と考えられます。もちろん、JR九州も定期的なメンテナンスや再塗装を行っていますが、全車両を常に完璧な状態に保つのは難しいのが現状です。ピカピカの新型車両と並ぶと、どうしてもその使用感が際立って見えてしまうのかもしれません。

内装の古さや設備の陳腐化は?

デビュー当時は「ホテル並みの空間」を目指し、間接照明や蓋付きの荷物棚、ビュッフェなどを備えた画期的な内装で高い評価を得ました。 しかし、30年以上が経過した現在では、さすがに古さを感じさせる部分も出てきています。

例えば、座席のモケット(表布)の擦り切れやへたり、壁や床の傷などが挙げられます。また、現代の特急車両では標準装備となりつつある全座席へのコンセント設置は、787系では一部の座席(DXグリーン席など)に限られています。 Wi-Fiサービスは導入されていますが、こうした設備の差が新型車両と比較した際の「古さ」や「見劣り」という印象につながっている可能性があります。かつては最先端だったデザインも、時代の変化とともにレトロな雰囲気と感じる人も増えているでしょう。

輝かしいデビューから現在までの787系のあゆみ

「ボロボロ」という声も聞かれる787系ですが、その歴史は輝かしいものでした。JR九州のフラッグシップとして誕生し、時代に合わせて役割を変えながら、今もなお九州の鉄道網を支える重要な存在です。ここでは、その栄光の軌跡を振り返ります。

「つばめ」としての華々しいデビュー

787系は1992年、鹿児島本線の特急「有明」のうち、博多~西鹿児島(現・鹿児島中央)間を結ぶ列車の愛称を、国鉄時代から続く由緒ある「つばめ」に改めて誕生しました。 これは17年ぶりの「つばめ」復活であり、JR九州の社運をかけたプロジェクトでした。 デザインは、今や数多くのD&S列車(デザイン&ストーリー列車)で知られる水戸岡鋭治氏が担当。

「ホテル並みの空間」をコンセプトに、ビュッフェや個室、セミコンパートメントなど豪華な設備を備え、当時の鉄道車両の常識を覆すデザインは大きな衝撃を与えました。 その先進性が高く評価され、1993年には鉄道友の会のブルーリボン賞や、グッドデザイン賞を受賞するなど、まさにJR九州の顔として最高のスタートを切ったのです。

九州新幹線開業に伴う役割の変化

長らく九州の南北を結ぶ大動脈として活躍した787系ですが、2004年の九州新幹線(新八代~鹿児島中央間)部分開業を機に大きな転機を迎えます。 「つばめ」の名前を新幹線に譲り、787系は博多~新八代間で新幹線に接続する特急「リレーつばめ」としての新たな役割を担うことになりました。

この際、座席定員を増やすためにビュッフェを普通席に改造するなどのリニューアル工事が行われています。 そして2011年、九州新幹線が全線開業すると「リレーつばめ」としての役目も終え、「つばめ」ブランドから完全に独立。塗装も「AROUND THE KYUSHU」のロゴが入った現在のダークグレーに変更され、九州各地の特急列車へと活躍の場を広げていきました。

ビュッフェの改造
「つばめ」時代の象徴だったビュッフェ(サハシ787形)は、「リレーつばめ」への転用に際して普通座席に改造されました。 しかし、ドーム状の天井など、その面影は一部の車両に残っています。 このビュッフェは後に観光列車「36ぷらす3」で形を変えて復活することになります。

現在の主な運行区間と特急列車

「つばめ」としての役割を終えた後、787系は汎用性の高さを活かして九州内の主要な電化路線で幅広く活躍しています。まさに「九州を駆けめぐる(AROUND THE KYUSHU)」存在となりました。

2025年現在、787系が主に使われている特急列車には以下のようなものがあります。

列車名 主な運行区間
リレーかもめ 博多~武雄温泉
かささぎ 博多~肥前鹿島・佐賀
きらめき 門司港・小倉~博多
かいおう 博多~直方
にちりん・にちりんシーガイア 博多・小倉~大分・宮崎空港
ひゅうが 延岡~宮崎・宮崎空港
きりしま 宮崎~鹿児島中央

このように、福岡都市圏から長崎、大分、宮崎、鹿児島方面まで、非常に広範囲で九州の特急ネットワークを支える主力車両として、今なお欠かせない存在であり続けているのです。

まだまだ現役!リニューアルと特別列車への改造

デビューから30年以上が経過し、一部で劣化が指摘される787系ですが、その一方で延命と魅力向上を目的とした様々なリニューアルや改造が施されてきました。特に、豪華観光列車への大胆な変身は、787系の新たな可能性を示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

座席の交換や内装のリフレッシュ

787系は、その長い歴史の中で数々のリニューアルを経験してきました。九州新幹線開業に伴う「リレーつばめ」への改造では、ビュッフェが普通席に変更されたのが大きな変化です。 また、2005年からはグリーン車の「トップキャビン」と呼ばれていた区画が、より豪華な1列+2列シートの「DXグリーン席」に改造され、座席にはモバイル用コンセントも設置されました。

このほかにも、編成の組み換えや一部車両のワンマン運転対応改造、行先表示器のLED化など、時代のニーズに合わせた更新が細かく行われています。 全面的なリニューアルとは言えないまでも、こうした地道な改良を重ねることで、今なお特急車両としてのサービスレベルを維持し続けているのです。

豪華観光列車「36ぷらす3」への大変身

787系の歴史において最大のトピックが、2020年にデビューしたD&S列車「36ぷらす3(さんじゅうろく ぷらす さん)」への改造です。 これは787系の1編成を大胆にリノベーションしたもので、外観は美しい光沢のある黒い塗装に変更され、内装も豪華な個室やソファ席、そして「つばめ」時代以来となるビュッフェが復活するなど、原型を留めないほどの大変身を遂げました。

車両形式も全車グリーン車扱いとなり、全く新しい価値を持つ観光列車として生まれ変わったのです。 この「36ぷらす3」の存在は、787系が単なる古い車両ではなく、高いポテンシャルを秘めた名車であることを証明しています。 ボロボロというイメージを覆す、最も輝かしい事例と言えるでしょう。

「36ぷらす3」とは?
「36ぷらす3」は、5つのルートを5日間かけて九州7県をめぐる観光列車です。 コンセプトは「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった“走る九州”」。 曜日ごとに異なるルートを走り、沿線の魅力的な食事や体験メニューが楽しめるのが特徴です。

今後のリニューアル計画はあるのか?

現在、787系全体に対する大規模なリニューアル計画は公式には発表されていません。しかし、JR九州の特急ネットワークにおいて今なお重要な役割を担っていることから、今後も必要なメンテナンスや小規模な更新は継続的に行われていくと考えられます。

例えば、利用者のニーズが高いコンセントの増設や内装材の更新などが部分的に進められる可能性はあります。一方で、車齢を考えると、近い将来、新型車両による置き換えが具体化してくることも予想されます。当面は「36ぷらす3」のような特別な改造を除き、現状を維持しながらの運用が続くと見られますが、その動向からは目が離せません。

787系の今後の運命は?置き換えや廃車の可能性

多くのファンに愛され、九州の鉄道網を支え続けてきた787系ですが、製造から30年以上が経過し、その去就が注目されています。後継車両の登場や、具体的な廃車の時期について、現時点で分かっている情報や今後の見通しを探ります。

後継車両の導入計画

2025年現在、JR九州から787系を直接置き換える後継車両の具体的な導入計画は発表されていません。 しかし、鉄道車両の寿命が一般的に30~40年であることを考えると、そう遠くない将来に新型車両の導入が検討される可能性は高いでしょう。JR九州では、787系よりも古い783系特急車両もまだ現役で活躍しており、置き換えが始まるとすれば、まずはこちらからという見方もあります。

また、西九州新幹線の全線開業問題など、九州全体の鉄道網の将来像が不透明な部分もあり、大規模な設備投資である新型車両の導入には慎重な姿勢である可能性も考えられます。 今後のJR九州の中長期的な経営計画の中で、どのような方針が示されるかが注目されます。

具体的な廃車の時期はいつ頃?

後継車両の計画が未定であるため、787系の具体的な廃車時期も現時点では明確になっていません。驚くべきことに、787系はこれまでに1両も廃車が出ておらず、製造された140両すべてが今なお現役です。 これはJR発足後に登場した特急形車両としては珍しいケースです。 とはいえ、初期に製造された車両から順に、部品の確保が難しくなったり、維持コストが増大したりすることで、少しずつ廃車が始まっていくことは避けられないでしょう。数年以内に最初の廃車が発生する可能性はありますが、全車両が一斉に引退するとは考えにくく、今後しばらくは活躍する姿を見ることができると予想されます。

名車787系に乗車できる今のうちに楽しもう

置き換えや廃車の話が出始めると、寂しさを感じるファンも多いかもしれません。しかし、見方を変えれば、個性豊かな787系に乗車できる貴重な時間はまだ残されているということです。重厚感のある乗り心地、落ち着いた雰囲気の車内、そして編成によってはDXグリーン席や元ビュッフェの空間など、多彩な座席バリエーションも魅力です。

デビュー当時の華やかさを知る世代にとっては懐かしく、新しい世代にとっては新鮮に感じられるかもしれません。九州を旅する際には、次に乗る特急が787系かどうかを少し気にしてみてはいかがでしょうか。その独特な雰囲気を味わっておくことは、きっと良い思い出になるはずです。

まとめ:787系はボロボロなのか?これからの活躍に期待

「787系 ボロボロ」というキーワードから見えてきたのは、単なる老朽化の一言では片付けられない、この名車の複雑な現状でした。確かに、製造から30年以上が経過し、外観の傷みや内装の古さが目立つ車両があるのは事実です。 しかしその一方で、華々しいデビューから今日に至るまで一度も廃車を出すことなく走り続け、今なお九州の特急ネットワークの主力を担っています。 さらに、豪華観光列車「36ぷらす3」への華麗な転身は、787系が持つ普遍的な魅力とポテンシャルを雄弁に物語っています。

結論として、787系は「ボロボロ」という一面も持ち合わせながら、それを補って余りある歴史的価値と現役としての重要性を兼ね備えた車両であると言えるでしょう。いつか訪れる引退の日まで、九州の大地を走り続けるその勇姿を、これからも温かく見守っていきたいものです。

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