701系の廃車はいつ?現状と今後の見通しを詳しく解説!

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東北地方の交流電化区間で、普通列車の主力として長年活躍を続けているJR東日本の701系電車。1993年の登場から30年以上が経過し、一部では「そろそろ廃車が始まるのでは?」と噂されています。

「走るんです」とも呼ばれ、独特のモーター音で親しまれてきたこの車両は、本当に引退の時が近いのでしょうか。

この記事では、701系の現在の状況、過去の廃車事例、そして気になる今後の後継車両について、最新の情報を交えながら、鉄道に詳しくない方にも分かりやすく解説していきます。東北の“顔”ともいえる701系のこれからに迫ります。

701系の廃車は始まっている?現在の状況をエリア別に解説

2025年現在、701系の本格的な老朽化による廃車はまだ始まっていません。しかし、一部の編成で動きが見られるのも事実です。ここでは、JR東日本の各エリアや、譲渡された第三セクター鉄道での現状を見ていきましょう。

JR東日本 秋田地区の状況

秋田総合車両センターに所属する701系は、奥羽本線や羽越本線などで活躍しています。初期に製造された0番台が多く配置されているため、廃車の動向が特に注目されるエリアです。

これまでに、事故による廃車ではありませんが、編成短縮によって余剰となった中間車(サハ701-11, 12)が廃車となった事例があります。 これは編成を3両から2両に短くした際に、中間の車両が不要になったためです。

また、2025年には田沢湖線で活躍していた標準軌仕様の5000番台(N5001編成)が運用を離脱し、廃車になったとの情報もあります。 これはダイヤ改正に伴う運用減が背景にあると見られています。 このように、秋田地区では全般的な置き換えではないものの、個別の事情による廃車が少しずつ発生している状況です。

JR東日本 盛岡地区の状況

盛岡車両センターに所属する701系は、東北本線などで活躍しています。このエリアの車両は、秋田地区の次に製造された1000番台が中心です。

かつては盛岡地区にも多くの701系が配置されていましたが、東北新幹線の延伸に伴い、並行する東北本線の一部が第三セクターである「IGRいわて銀河鉄道」と「青い森鉄道」に移管されました。 その際、多くの701系がこれらの会社へ譲渡されています。

そのため、現在JR東日本盛岡車両センターに残っている編成は比較的少なく、当面は大きな動きはないと考えられています。ただし、初期に製造された車両も含まれているため、今後の動向は注視していく必要があります。

JR東日本 仙台地区の状況

仙台車両センターに所属する701系は、東北本線や常磐線などで活躍しており、他地区の701系やE721系と連結して走る姿も日常的に見られます。仙台地区の701系は100番台や1500番台が中心で、比較的後期に製造された車両が多いのが特徴です。

仙台地区では、後継形式と見なされているE721系の導入が最も進んでいるエリアでもあります。そのため、直接701系を置き換える新型車両の導入というよりは、他線区から転属してきた車両によって玉突きで置き換えられる可能性が考えられます。

2025年12月からは、同じ仙台エリアの仙石線で新型車両「E131系」の運行が開始されます。 これにより205系が置き換えられる予定ですが 、こうした新型車両導入の動きが、将来的に仙台地区の701系の動向に影響を与える可能性も否定できません。

青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道の状況

JR東日本から譲渡された701系(青い森鉄道では青い森701系、IGRではIGR7000系)も、各社の主力車両として活躍を続けています。 これらの車両も製造から30年近く経過しており、今後の維持が課題となっています。

しかし、両社では当面、車両の置き換えではなく延命工事を実施して車両を長く使い続ける方針が示されています。 青い森鉄道では、主要な機器を交換する延命措置によって、更新時期を10年程度延長する計画があります。 IGRいわて銀河鉄道でも同様に、車両の長寿命化によって更新時期を先延ばしにする計画が資料で確認されています。

第三セクター鉄道は経営基盤がJRほど強固ではないため、新型車両の導入には多額の費用がかかります。そのため、既存車両を大切に長く使うという選択がなされているのです。

なぜ701系の廃車が注目されるのか?その特徴と歴史

701系は、単に「古いから」という理由だけで廃車が注目されているわけではありません。この車両が東北の鉄道の歴史において、非常に大きな役割を果たしてきたからです。ここでは、701系が持つ特徴とその功績について振り返ってみましょう。

「走るんです」と呼ばれた背景

701系は、首都圏で活躍する209系電車をベースに設計されました。「寿命半分・コスト半分・重量半分」というコンセプトで開発された209系は、当時「走るんです」と揶揄されることがありました。701系もその思想を受け継いでいることから、同じように呼ばれることがあります。

具体的には、製造コストを抑えるために、内装を簡素化したり、多くの部品を共通化したりする工夫がなされています。また、車体には軽量なステンレスを採用し、エネルギー効率を高めました。

そして、座席はすべて壁側を向いたロングシートで登場しました。これは通勤ラッシュ時の詰め込みを重視したもので、地方のローカル線では珍しい仕様でした。そのため、旅行者からは「景色が見づらい」といった不満の声も聞かれましたが、ラッシュ時の混雑緩和には大きな効果を発揮しました。

VVVFインバータ制御とは?
701系が発車・停車時に発する「ヒュイーン」という独特のモーター音は、「VVVFインバータ」という装置によるものです。これはモーターに流す電気を細かく制御することで、スムーズな加減速と省エネを実現する技術です。特に初期の車両に搭載されたタイプは、その特徴的な音から多くの鉄道ファンに親しまれています。

東北のローカル線を近代化した功績

701系が登場する前の東北地方の普通列車は、「客車列車」が主流でした。 これは電気機関車が客車を引っ張るスタイルで、乗り心地は良いものの、スピードが遅く、駅での折り返し時には機関車を付け替える手間がかかるなど、非効率な面が多くありました。

JR東日本は、この旧式の客車列車を置き換え、輸送効率を大幅に改善するために701系を開発・投入しました。 701系の導入により、普通列車のスピードアップが実現し、これまでよりも短い時間で移動できるようになりました。また、車両の性能が向上したことで、駅での停車時間も短縮され、ダイヤ全体の効率化にも繋がりました。

まさに701系は、東北地方の普通列車のサービスを飛躍的に向上させ、鉄道の近代化を一気に推し進めた立役者だったのです。

独特のモーター音とデザイン

701系の魅力として多くの人が挙げるのが、その独特の走行音です。先述の通り、VVVFインバータ制御装置から発せられる音は、特に発車時に「ドレミファソラシド」と音階を奏でるように聞こえることがあり、ファンからは「ドレミファインバータ」や「歌う電車」として親しまれています。(ただし、音階に聞こえるのは特定のメーカーの装置のみです)

デザイン面では、銀色に輝くステンレスの車体に、各エリアの特色を表すラインカラーが配されています。例えば、秋田地区は紫色、盛岡地区は青紫色、仙台地区は赤と緑の帯といった具合です。 このシンプルなデザインは、雪深い東北の風景によく映え、地域の顔として長年親しまれてきました。

このように、効率化を追求した設計でありながら、音やデザインといった面で多くの人々の記憶に残る個性を持っていたことも、701系の廃車が注目される大きな理由の一つと言えるでしょう。

701系の寿命と廃車の具体的な時期は?

多くの鉄道ファンが気になるのは、「結局、701系はいつまで走るのか?」という点でしょう。車両の寿命や製造年を基に、具体的な廃車の時期を考察してみます。

鉄道車両の一般的な寿命とは?

鉄道車両の寿命は、法律などで明確に定められているわけではありません。しかし、一般的には製造から30年~40年程度で廃車となるケースが多いです。これは、車体や主要な機器が経年劣化することに加え、技術の進歩によってより高性能で省エネな新型車両が登場するためです。

ただし、これはあくまで目安であり、鉄道会社の経営方針や車両の状態によって大きく変わります。701系のように、途中で主要な機器を新しいものに交換する「機器更新」を行うことで、さらに寿命を延ばすことも可能です。 701系も多くの車両が既に1回目の機器更新を終えており、これが延命に繋がっています。

JR西日本では、国鉄時代に製造された車両を大規模にリニューアルする「体質改善工事」を行い、製造から50年以上使用している例もあります。車両を長く使うか、新しくするかは、鉄道会社の考え方次第なのです。

701系の製造年と経過年数

701系の製造年は、番台区分(車両の種類を示す番号)によって異なります。最も古いのは1993年に登場した秋田地区の0番台で、2025年時点ですでに車齢30年を超えています。 一方、最も新しいのは2002年に製造された車両で、こちらはまだ20年強です。

以下の表は、主な番台区分ごとの製造年と2025年時点での経過年数の目安です。

番台区分 主な配置エリア 製造年(目安) 経過年数(目安)
0番台 秋田 1993年~ 約32年
100番台 秋田・仙台 1994年~ 約31年
1000番台 盛岡・仙台 1994年~ 約31年
1500番台 仙台 1998年~ 約27年
5000番台 秋田(田沢湖線) 1996年~ 約29年

この表からも分かるように、特に初期に製造された0番台や100番台は、一般的な車両の寿命とされる30年を既に迎えています。そのため、これらの車両から優先的に廃車が進む可能性が高いと考えられます。

廃車が近いと言われる編成は?

現時点で「この編成が次に廃車になる」と断言することはできませんが、いくつかの傾向から予測することは可能です。

まず考えられるのは、最も古い0番台の車両です。特に秋田地区に集中しているこれらの編成は、車体の老朽化も進んでいると考えられ、置き換えの筆頭候補と言えるでしょう。

また、特殊な仕様を持つ編成も注意が必要です。例えば、田沢湖線や山形新幹線の一部区間で使われる「標準軌」仕様の5000番台や5500番台は、走れる区間が限られています。 もしこれらの路線で車両の運用見直しがあった場合、他線区への転用が難しいため、廃車の対象となりやすい可能性があります。実際に、前述の通り田沢湖線の5000番台で既に運用離脱・廃車となった編成が出ています。

本格的な廃車が始まるとすれば、おそらく2025年以降、数年のうちに具体的な計画が発表される可能性が高いと見られています。

701系の後継は?注目される新型車両

701系の廃車が進むとすれば、その後継となるのはどのような車両なのでしょうか。現在、いくつかの候補が考えられています。

有力な後継候補「E131系」

現在、701系の後継として最も有力視されているのがE131系です。この車両は、2021年から首都圏の房総地区や相模線などで導入が始まった新型車両です。 そして、2025年12月からは仙台地区の仙石線にも導入されることが決定しており、東北地方にも進出します。

E131系は、車内に防犯カメラを設置したり、座席の幅を広くしたりするなど、現代のニーズに合わせた設備を備えています。また、車両の状態をリアルタイムで監視するシステムを搭載し、故障に強い設計となっているのも特徴です。

ワンマン運転にも対応しやすい設計であることから、今後、運転士不足が課題となる地方路線での導入に適していると考えられます。これらの点から、東北地方の701系を置き換える次の標準車両として、E131系が選ばれる可能性は非常に高いと言えるでしょう。

既存の「E721系」による置き換えの可能性

もう一つの可能性として、すでに仙台地区を中心に活躍しているE721系を追加で製造し、古い701系を置き換えるというシナリオも考えられます。

E721系は、701系の反省点を踏まえて設計された車両です。座席はセミクロスシート(ロングシートとボックス席の組み合わせ)を採用し、長距離移動の快適性を向上させています。また、床の高さを低くしてホームとの段差をなくした「低床設計」も特徴で、乗り降りがしやすいバリアフリーな車両です。

既に東北地方での運用実績が豊富で、乗務員や整備士も扱いに慣れているというメリットがあります。そのため、全く新しい車両を導入するよりも、既存のE721系を増備する方がコストを抑えられる可能性もあります。 仙台地区で余剰となったE721系を、より古い701系が走る秋田地区などへ転属させる、といった玉突きでの置き換えも考えられるでしょう。

各エリアでの導入計画と今後のスケジュール

現時点で、JR東日本から701系を直接置き換えるための具体的な新型車両導入計画は発表されていません。

ただし、前述の通り仙石線へのE131系導入が2025年12月から始まり、2026年春ごろには更新が完了する予定です。 この仙石線での運用実績を踏まえて、他の東北各線への展開が検討される可能性があります。

仮に新型車両が導入される場合、まずは最も古い車両が多い秋田地区から置き換えが始まる可能性が高いと予想されます。その後、盛岡地区、仙台地区へと順次置き換えが進んでいくと考えられますが、全ての701系が引退するまでには、少なくとも5年から10年程度の長い期間がかかるでしょう。701系の活躍する姿は、まだしばらく見ることができそうです。

まとめ:701系の廃車は目前?今のうちに楽しみたい魅力

この記事では、701系の廃車に関する現状と今後の見通しについて解説しました。

要点をまとめると以下のようになります。

  • 本格的な老朽廃車は始まっていないが、一部編成で運用離脱や廃車が出ている。
  • 特に初期に製造された秋田地区の0番台は、車齢30年を超えており、今後の動向が注目される。
  • 第三セクター(青い森鉄道・IGR)では、延命工事を行い、当面は使用を続ける方針。
  • 後継車両としては、新型のE131系や、既存のE721系が有力視されている。
  • 全ての701系が置き換わるまでには、まだ数年以上の時間がかかると予想される。

東北の鉄道近代化を支え、地域の足として活躍してきた701系。その引退の足音は、少しずつですが確実に近づいています。独特のモーター音を響かせながら雪景色の中を走る姿が見られるうちに、その最後の活躍を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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