東京都新宿区の新宿駅と千葉県市川市の本八幡駅を結ぶ都営新宿線。 各駅停車のイメージが強いかもしれませんが、実は日中や朝夕の時間帯を中心に「急行」が運行されていることをご存知でしたか?
急行を利用すれば、移動時間を大幅に短縮でき、通勤・通学やお出かけがもっと快適になります。しかし、「どの駅に停まるの?」「各駅停車とどれくらい時間が違うの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、そんな都営新宿線の急行について、停車駅や運行時間帯、乗り入れ先の京王線との関係性、そして賢い利用方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、都営新宿線の急行を乗りこなせること間違いなしです。
都営新宿線の急行とは?基本情報を丸わかり解説
まずは、都営新宿線の急行がどのような電車なのか、基本的な情報から見ていきましょう。停車駅や各駅停車との違いを知ることで、急行の便利さがより具体的にイメージできるはずです。
急行の停車駅一覧
都営新宿線の急行は、全ての駅に停まるわけではありません。新宿駅から本八幡駅までの21駅のうち、停車するのは主要な8駅のみです。 具体的な停車駅は以下の通りです。
新宿 → 市ヶ谷 → 神保町 → 馬喰横山 → 森下 → 大島 → 船堀 → 本八幡
これらの駅は、JRや他の地下鉄路線との乗り換えが便利な主要駅や、区の拠点となる駅が選ばれています。 例えば、市ヶ谷駅ではJR中央・総武線や東京メトロ有楽町線・南北線に、神保町駅では都営三田線や東京メトロ半蔵門線に乗り換えることができます。
以下の表に、急行の停車駅と通過駅をまとめましたので、ご自身の利用駅がどちらに該当するか確認してみてください。
| 駅番号 | 駅名 | 急行 | 主な乗り換え路線 |
|---|---|---|---|
| S-01 | 新宿 | ● | 京王新線(直通)、JR各線、小田急線、京王線、東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線 |
| S-02 | 新宿三丁目 | | | 東京メトロ丸ノ内線・副都心線 |
| S-03 | 曙橋 | | | |
| S-04 | 市ヶ谷 | ● | JR中央・総武線(各駅停車)、東京メトロ有楽町線・南北線 |
| S-05 | 九段下 | | | 東京メトロ東西線・半蔵門線 |
| S-06 | 神保町 | ● | 都営三田線、東京メトロ半蔵門線 |
| S-07 | 小川町 | | | 東京メトロ丸ノ内線(淡路町駅)・千代田線(新御茶ノ水駅) |
| S-08 | 岩本町 | | | JR各線(秋葉原駅)、東京メトロ日比谷線(秋葉原駅) |
| S-09 | 馬喰横山 | ● | 都営浅草線(東日本橋駅)、JR総武快速線(馬喰町駅) |
| S-10 | 浜町 | | | |
| S-11 | 森下 | ● | 都営大江戸線 |
| S-12 | 菊川 | | | |
| S-13 | 住吉 | | | 東京メトロ半蔵門線 |
| S-14 | 西大島 | | | |
| S-15 | 大島 | ● | |
| S-16 | 東大島 | | | |
| S-17 | 船堀 | ● | |
| S-18 | 一之江 | | | |
| S-19 | 瑞江 | | | |
| S-20 | 篠崎 | | | |
| S-21 | 本八幡 | ● | JR中央・総武線(各駅停車)、京成本線(京成八幡駅) |
●:停車、|:通過
各駅停車との違いは?
急行と各駅停車の最も大きな違いは、所要時間です。急行は13の駅を通過するため、当然ながら各駅停車よりも目的地に早く到着します。
例えば、新宿駅から本八幡駅まで全区間を乗車した場合、各駅停車の所要時間が約45分なのに対し、急行は約29分~30分で結び、約10分から15分もの時間短縮になります。 この差は、特に急いでいる時や長距離を移動する際には非常に大きなメリットと言えるでしょう。
また、速達性を確保するために、急行は途中の駅で先行する各駅停車を追い抜くことがあります。これは「緩急接続」や「追い抜き」と呼ばれるもので、都営新宿線では主に大島駅や岩本町駅、瑞江駅の待避線を利用して行われます。 2024年3月のダイヤ改正以降は、すべての急行が大島駅で各駅停車と接続するようになり、急行通過駅への乗り換えの利便性が向上しました。
運行時間帯と運転間隔
都営新宿線の急行は、終日運行されているわけではありません。利用状況に合わせて、特定の時間帯に集中して運行されています。かつては日中に多く運行されていましたが、ダイヤ改正を経て運行パターンが変化しています。
2024年3月16日のダイヤ改正後の主な運行時間帯は以下の通りです。
- 平日・朝ラッシュ時(新宿方面):7時台~9時台に数本運行されます。 一部は途中の大島駅が始発となります。
- 平日・夕方ラッシュ時(本八幡方面):帰宅時間帯の速達性向上のため、17時台から19時台にかけて増発されました。
- 土休日:平日に比べ、朝から夕方にかけて比較的幅広い時間帯で運行されています。
かつて運行されていた日中時間帯(11時~15時台)の急行は、利用率の分析に基づき、現在は各駅停車に変更されています。 一方で、利用率の高かった朝や夕方の時間帯に新たに急行が設定されるなど、より利用実態に合わせたダイヤになっています。
運転間隔は時間帯によって異なりますが、ラッシュ時でも1時間に数本程度です。 利用する際は、事前に時刻表を確認しておくことを強くおすすめします。最新の時刻表は、東京都交通局の公式サイトや、NAVITIME、ジョルダンなどの乗り換え案内サービスで確認できます。
京王線との直通運転の仕組み

都営新宿線の大きな特徴の一つが、新宿駅から先、京王線(京王新線)へと乗り入れる「相互直通運転」です。これにより、千葉県の本八幡方面から、東京の多摩地域(橋本、高尾山口など)まで乗り換えなしでアクセスできます。急行の運用もこの直通運転と深く関わっています。
都営新宿線内と京王線内での種別変更
都営新宿線の急行を理解する上で少し複雑なのが、京王線に入ると列車の「種別」が変わることがある点です。種別とは、「各駅停車」「快速」「急行」といった列車の種類のことです。
都営新宿線内を「急行」として走ってきた列車も、新宿駅から京王新線に入り、笹塚駅から先の京王線へと進むと、「区間急行」「快速」「各駅停車」などに種別が変更される場合があります。
これは、都営新宿線と京王線で停車駅のパターンや利用者の流れが異なるためです。例えば、京王線内では利用者が多い駅にきめ細かく停車するために、種別を変更して対応しています。
どの種別に変わるかは、列車の行き先や運行時間帯によって異なります。自分が乗っている急行が、京王線内でどの種別になるかは、車内の案内表示や駅の電光掲示板で確認するようにしましょう。2018年以降、都営新宿線内では「急行」または「各駅停車」と表示され、新宿駅で京王線内の種別に表示が切り替わる運用となっています。
直通先の主な行先
都営新宿線から京王線へ直通する電車の行先は多岐にわたります。これにより、都心だけでなく、東京西部へのアクセスも非常に便利になっています。
主な行先は以下の通りです。
- 橋本(はしもと):京王相模原線の終着駅。リニア中央新幹線の駅も設置予定の拠点駅です。都営新宿線からの直通列車で最も多い行先の一つです。
- 高尾山口(たかおさんぐち):京王高尾線の終着駅。言わずと知れた高尾山の最寄り駅で、行楽シーズンのアクセスに便利です。
- 笹塚(ささづか):京王新線の終着駅であり、京王線との接続駅です。都営新宿線内のみの列車も笹塚駅まで乗り入れることが多いです。
- そのほか:時間帯によっては、京王多摩センター行きや、多摩動物公園行きの列車も運行されることがあります。
これらの電車は、都営新宿線内を急行または各駅停車として走り、京王線内ではそれぞれの行先に応じた種別で運行されます。例えば、橋本行きの急行は、都営新宿線内は急行運転を行い、京王線内は区間急行や快速として走ることが多いです。
なぜ直通運転をしているの?その背景
そもそも、なぜ都営新宿線と京王線は直通運転を行っているのでしょうか。これには、利用者の利便性向上と、都市交通の効率化という大きな目的があります。
直通運転が始まる前は、京王線沿線から都心へ向かう人々は、必ず新宿駅で乗り換えが必要でした。新宿駅は世界一の乗降客数を誇る巨大ターミナルであり、乗り換えは大きな負担でした。
そこで、新宿駅での乗り換え負担を軽減し、多摩地域と都心部・千葉方面をダイレクトに結ぶことを目的に、都営新宿線と京王線の直通運転が計画されました。 これにより、利用者は座ったまま目的地まで移動できるようになり、利便性が飛躍的に向上しました。
ちなみに、都営新宿線と京王線は線路の幅(軌間)が1372mmという特殊なサイズで共通しています。これは、かつて路面電車(都電)を走らせていた名残で、この共通点があったからこそスムーズな直通運転が実現できたという技術的な背景もあります。
このように、都営新宿線と京王線の直通運転は、利用者の快適な移動を支える重要な仕組みであり、急行運転もその中で速達性を高める役割を担っています。
都営新宿線急行のメリットと賢い使い方
急行の基本的な情報がわかったところで、次は実際にどのように活用すれば便利なのか、具体的なメリットと賢い使い方をご紹介します。急行を使いこなせば、毎日の移動がよりスムーズで快適になります。
通勤・通学時間の大幅な短縮効果
急行を利用する最大のメリットは、なんといっても移動時間の大幅な短縮です。 前述の通り、新宿〜本八幡間では各駅停車に比べて約10分以上も早く到着できます。 この「10分」という時間は、忙しい朝には非常に貴重です。
例えば、毎日の通勤で往復20分時間が浮けば、1週間(5日間)で100分、1ヶ月(20日間)では400分、つまり6時間以上の時間を他のことに使える計算になります。読書をしたり、ニュースをチェックしたり、あるいは少し長く睡眠をとったりと、生活にゆとりが生まれるでしょう。
特に、千葉県側の本八幡、船堀や、江東区の大島といった駅から、都心の新宿、市ヶ谷、神保町方面へ通勤・通学する方にとっては、急行は非常に強力な味方です。朝のラッシュ時に運行される新宿方面の急行や、夕方の帰宅ラッシュ時に増発された本八幡方面の急行を狙って利用することで、満員電車に乗る時間を少しでも短くし、体力的・精神的な負担を軽減する効果も期待できます。
主要駅へのスピーディーなアクセス
都営新宿線の急行は、ただ速いだけでなく、停車駅がビジネスや乗り換えの拠点となる主要駅に絞られている点も大きなメリットです。
- 新宿駅:言わずと知れた日本最大のターミナル駅。JR、私鉄各線への乗り換えに便利です。
- 市ヶ谷駅:JR中央・総武線や東京メトロ南北線・有楽町線が乗り入れるオフィス街の拠点。
- 神保町駅:都営三田線や東京メトロ半蔵門線に乗り換え可能。古書店街や大学へのアクセスも良好です。
- 馬喰横山駅:JR総武快速線(馬喰町駅)や都営浅草線(東日本橋駅)に乗り換えられ、成田空港や羽田空港へのアクセスにもつながります。
- 森下駅:都営大江戸線との乗り換え駅。清澄白河エリアなどへもアクセスしやすいです。
これらの駅へピンポイントで早く移動できるため、乗り換え時間の短縮にもつながります。例えば、本八幡からJR総武快速線に乗り換えて千葉方面や東京駅方面へ向かいたい場合、急行で馬喰横山駅まで行けば、スムーズに乗り換えが可能です。目的地が急行停車駅、またはその近くである場合は、積極的に急行を利用するのが賢い選択と言えるでしょう。
乗り換えを減らす便利な活用術
急行をさらに便利に使いこなすためのコツは、「追い抜き」を意識した乗り換えです。
例えば、あなたの最寄り駅が急行通過駅の「瑞江駅」で、目的地が「新宿駅」だとします。この場合、ただ各駅停車に乗り続けるのではなく、手前の急行停車駅である「船堀駅」で一度降りて、後から来る急行に乗り換えるというテクニックがあります。
これにより、船堀駅から新宿駅までの区間を急行で速く移動できるため、トータルの所要時間を短縮できる可能性があります。ただし、この方法が有効なのは、各駅停車と急行の接続が良い場合に限られます。
2024年3月のダイヤ改正で、すべての上り・下り急行が「大島駅」で各駅停車と接続するようになりました。 これにより、急行通過駅を利用する方でも、大島駅でスムーズに急行と各駅停車を乗り換えることができ、利便性が大きく向上しました。
例えば、東大島駅から新宿方面へ向かう際、大島駅で待っている急行に乗り換えれば、そこから先は速く移動できます。逆も同様で、新宿方面から瑞江駅へ帰る際、急行で大島駅まで行き、そこで接続している各駅停車に乗り換えるといった使い方ができます。自分の利用パターンに合わせて、どの駅で乗り換えるのが最も効率的か、一度シミュレーションしてみるのがおすすめです。
注意点と知っておきたいポイント

非常に便利な都営新宿線の急行ですが、利用する際にはいくつか知っておきたい注意点もあります。混雑状況や、万が一の遅延時の対応などを事前に把握しておくことで、より快適に利用することができます。
急行が通過する駅を利用する場合
都営新宿線は21駅中13駅が急行通過駅です。 もしご自身の最寄り駅が急行通過駅の場合、いくつか注意が必要です。
最も基本的な注意点は、乗り間違えです。急いでいる時に来た電車に飛び乗ったら急行で、目的の駅を通過してしまった、という経験は誰しもあるかもしれません。特に、普段各駅停車しか利用しない方は、電光掲示板の「急行」という表示をしっかり確認する癖をつけましょう。
万が一乗り過ごしてしまった場合は、慌てずに次の停車駅で降りて、反対方面の各駅停車に乗り換えましょう。都営新宿線の急行停車駅の間隔はそれほど長くはないので、落ち着いて対応すれば大きな時間のロスにはなりにくいです。
また、前述の通り、急行通過駅から都心方面へ向かう際は、大島駅や船堀駅などの手前の急行停車駅で、後続の急行に乗り換えることで時間短縮が可能です。 逆に都心方面から帰宅する際も、大島駅で各駅停車に乗り換えるのがスムーズです。 自分の生活スタイルに合わせて、どの駅で乗り換えるのが最も効率的か、時刻表アプリなどで事前に調べておくと良いでしょう。
混雑状況と快適に乗るためのヒント
都営新宿線の混雑は、特に平日の朝夕ラッシュ時に集中します。国土交通省のデータによると、最も混雑する区間は上り(新宿方面)が「西大島→住吉」間、下り(本八幡方面)も同様の区間が夕方に混み合います。
急行は速くて便利なため、各駅停車よりも混雑する傾向があると思われがちですが、都営新宿線の場合は必ずしもそうではありません。時間帯や区間によっては、停車駅が少ないために利用者が限られ、各駅停車よりも空いていることがあります。 特に、各駅から乗客を拾ってくる各駅停車の方が、区間によっては混雑が激しい場合もあります。
快適に乗るためのヒントとしては、まずラッシュのピーク時間を少しずらすことが挙げられます。可能であれば、7時半~8時半といった最も混み合う時間帯を避けるだけでも、体感的な混雑度は大きく変わります。
また、車両による混雑度の違いもあります。一般的に、階段やエスカレーターに近い車両は混雑し、先頭や最後尾の車両は比較的空いている傾向にあります。平日の朝ラッシュ時、本八幡方面から新宿方面へ向かう電車には女性専用車両が設定されており(10両編成の1号車)、対象となる方はこちらを利用するのも一つの方法です。
遅延・運休時の情報収集方法
人身事故や車両故障、悪天候などにより、電車が遅延したり運休したりすることがあります。特に都営新宿線は京王線と直通運転を行っているため、どちらかの路線でトラブルが発生すると、もう一方のダイヤにも影響が及ぶ可能性があります。
いざという時に備えて、運行情報を迅速に入手する方法を知っておくことが大切です。
【主な情報収集方法】
- 東京都交通局 公式サイト・アプリ:リアルタイムの運行状況や、各駅の時刻表、遅延証明書の発行などができます。公式アプリ「都営交通アプリ」はプッシュ通知で情報を受け取れるので便利です。
- X(旧Twitter):東京都交通局の公式アカウント(@toeikotsu)が運行情報を発信しています。リアルタイム性が高く、利用者の口コミ情報なども得やすいのが特徴です。
- 駅の電光掲示板やアナウンス:最も確実で基本的な情報源です。駅にいる場合は、必ず確認しましょう。
- 乗り換え案内アプリ:NAVITIMEやジョルダン、Yahoo!乗換案内などのアプリは、遅延情報も加味した迂回ルートを検索してくれる機能があり、非常に役立ちます。
遅延が発生している場合は、急行が運転を取りやめ、すべての電車が各駅停車として運行されることもあります。情報をもとに、別の路線へ迂回するか、時間に余裕を持って行動するかなどを冷静に判断することが重要です。
まとめ:都営新宿線の急行を賢く利用して快適な移動を

この記事では、都営新宿線の急行について、停車駅や時刻表、京王線との直通運転の仕組みから、具体的なメリット、賢い使い方、注意点までを詳しく解説しました。
【都営新宿線 急行のポイント】
- 停車駅は新宿、市ヶ谷、神保町、馬喰横山、森下、大島、船堀、本八幡の主要8駅です。
- 新宿~本八幡間の所要時間は各駅停車より約10分以上短縮できます。
- 主に平日朝夕のラッシュ時と土休日に運行されています。
- 新宿駅から先は京王線に直通し、橋本や高尾山口などへアクセス可能です。
- 急行通過駅からは、大島駅で各駅停車とスムーズに乗り換えができます。
都営新宿線の急行は、運行本数こそ限られていますが、その速達性は大きな魅力です。停車駅と運行時間帯をしっかり把握し、各駅停車や京王線との乗り換えを上手に活用することで、日々の通勤・通学やお出かけが格段に快適になるでしょう。
この記事を参考に、ぜひ都営新宿線の急行を乗りこなして、時間を有効活用してください。



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